組合員の落書き帳2016年4月更新分

2016年05月08日 05:33
○きれいな島の話  A&Y 2013.1
 
昔あったそうな。
むかしむかしあるところに、とても小さくてきれいな島がありました。山のてっぺんがちょこんと海から突き出たようなかわいい島でしたが、砂浜も岩浜も泉もあり、小さな洞穴(ほらあな)さえもありました。かわいい生き物が住んでいて、嵐の晩も平気でした。
栗の木やぶどうの木もあり、リスや小鳥がそれを食べて生活していました。でも、その島は北の国と南の国が自分のものにしようと争っていたのです。
「あの島は1000年も昔にわしの国の人間が見つけたからわしの国だ」
「いやいや、わしの国では2000年も昔にあの島に漂流したものがいる」
といった調子です。
 
 そしてついには両方の国から兵隊さんがやってきました。そして島の中や周りの海で大砲の打ち合いが始まりました。
 島はとても悲しくなりました。
「人間たちが来てから生き物がほとんどいなくなってしまった。そして沢山の人たちがどんどん死んでいる。私がいなければこんなことはおきないのに」
 島はもう生きていても仕方が無いと思って、どんどん海の中に潜っていきました。わずかに生き残っていた陸地の生き物は、もう大砲でうんざりしていたため、誰も島が潜るのを止めませんでした。「大砲で壊されるくらいなら島と一緒に死んでもいい。」と思ったからです。
 島が半分くらい沈んだとき、兵隊さんたちも気がつきました。「島が小さくなってきたぞ」そして、びっくりして大砲を撃つのを止めました。とたんに島の周りは静かになりました。
 
 北の国の王様は困りました。実は島の周りの海の底に沢山の金が埋まっているのを知っていたのです。何としても島を自分のものにしたかったのは金が目当てでした。そこで北の国は南の国に呼びかけました。「島がなくなりかけているが、余りにも島がかわいそうだから、いくさをやめて助けてやりたいがどうだ?」南の国は北の国より沢山の兵隊さんが死んだり怪我をしたりして、とても怒っているひとが多かったのですが、結局北の呼びかけに協力することになりました。実は、南の国の王様も島の周りに沢山の金が埋まっているのを知っていて、あの島が自分のものになればとても裕福になると考えていたからです。
 さて、それから1年間、南と北から沢山の船が山ほどの土をつんで島にやってきました。1年過ぎたころ、やっと前と同じ大きさの島が出来上がりました。しかし、もう島は死んでいました。北の国も南の国もこぞっていっぱいの毒を含んだ土を運んできたため、生き物のいない島になってしまったのです。
 それでも北の国も南の国も満足です。そしてまた大砲の打ち合いが始まりました。今度は島は沈みません。
 
 
 ○ エッセイ A&Y 2013.8
その1
一昨年、私の属する小さなユニオンは、遠野市で約半年間、沿岸被災地の後方ボランテイア(ボランテイアへの寝食の提供)を行った。
 すぐ隣の校庭には自衛隊のテントが立ち並び、彼らの後方基地になっていた。自衛隊は被災地の緊急支援に大いに役に立った。個々の隊員はまるでこのような時のために存在しているかのように見えた。
 その後間もなく、テレビで新入自衛隊員の訓練の様子が報道された。相も変らぬ銃器を携えてのほふく前進、陣地奪還であった。それをニュースが「復興のための訓練」と表現していたのにブラックジョークを感じた。
 先日発表された内閣府の経済試算をみても、近い将来に予想される南海トラフ巨大地震の破壊力はすさまじい。相手が「外国」なのか「地球」なのかの違いはあっても、膨大な量の大量破壊兵器が落とされたのと同じことが起ころうとしている時、自衛隊は変わらずほふく前進の訓練をするのか。今、急いで準備するべきは被災地を救援する能力だ。自衛隊の訓練の大半をこれに向けることを提案したい。
 
その2
北朝鮮の軍事的挑発を巡って政府はまかり間違えば攻撃されるとの認識で軍事的に対応している。
 北朝鮮の今の事態は突然やってきたのではない。ブッシュ大統領が悪の枢軸としてイラク・イランとともに北朝鮮を名指しし、うその理由でイラクに侵攻する愚策を行ったときから予想された。
米英に届くようなロケットと核兵器をイラクが持っていれば侵攻されなかったと私は思ったし、北朝鮮やイラン指導部もそう考えたに違いない。今、北朝鮮指導部は自殺行為であることを承知で日本も攻撃するかもしれない。その場合の標的は軍事基地ではなく、青森県の六ヶ所村再処理工場をはじめとした核関連施設で、日本は人の住めない地域になるかもしれない。
 日本は軍事大国になるのか、憲法9条に少しずつでも近づく道(軍縮)を選ぶのか、正念場を迎えている。国家間の争いは、賢い政治をおこなえれば避けることができる。しかし南海トラフ地震は避けることはできない。戦より大災害に有用な自衛隊を目指して、賢い政治をする日本になって欲しいと思う。
 
その3
 福島原発事故で陣頭指揮をとられた吉田元所長が亡くなられたとの報に、悲しみを感じる。同時に、「事故発生から退任までに吉田元所長が浴びた放射線量はおよそ70ミリシーベルト」との東電のコメントにはがくぜんとした。というのは、事故の時に現場で作業に当たった知人から、作業中は放射能を測定する装置を着けるが、免震棟で休憩するときはそれは外して休んだと聞いていたからだ。高いところにある線量計から推測すると、横たわった床の放射線量はかなり高いと思われたが、記録は残っていないとのことだった。 
 東電は事故当時にこのような実態があったことを今でも知らないのだろうか?吉田元所長の浴びた放射線は、記録に残っているよりもはるかに多いはずだ。
 
 
○消費税 A&Y 2014.3
         
桂枝雀の落語から:えー、お金はさみしがりやだといいます。あるところに集まろうとし、ないところからはすぐ出ていきます。一万円札でも「一枚立ち」出来ません。「さびしいなあ、沢山いるところに飛んで行こう」とします。なので沢山のお金を集めようと思えば、まずはたーくさんのお金を集めなくてはなりません。
 しかし、ないところから絞り出そうと消費税。一方で所得税はかつての最高85%から今は40%と超高額所得者優遇、しかも超高額所得者は実質10数%しか所得税を払わず(財務省の情報)。そして大企業に有利な法人税の切り下げ。
 富裕層に少しでも愛国心なるものがあるのなら、借金まみれの国にこぞってカンパするべきです。自民党は二枚舌。富裕層の税負担を上げれば彼らは海外に逃げると言って反対したのは前の石原幹事長。自民党は富裕層には愛国心を求めず、貧困層には求める。自民党は汚い。富裕層のカンパが得られないなら、実質最高所得税を今すぐ85%に戻すべきだ。
 
○ 沖縄の人たちに応援を! A&Y 2015.12
 
 私は、憲法9条と矛盾する集団的自衛権を閣議で決定し、「戦争法案」と揶揄された安保関連法を成立させた日本国は、国民に対して掟破りをしたと思います。また、そのような国家に対して敢然と立ち向かい続ける翁長沖縄県知事をはじめとした沖縄の人たちに大いに共感します。
 日本は戦後ずっと沖縄に基地を押し付けてきました。しかし沖縄は今、恵まれた自然環境を大切にして、観光を中心とした経済生活を押し進めようとしています。観光にとって米軍基地は邪魔なものでしかありません。もしも震災の時に岩手県沿岸に原発があったら、今の岩手はありませんが、自然環境の素晴らしさを生活の糧にしようとする沖縄の人たちにも、米軍基地はいらないのです。 日本政府は沖縄に米軍基地は必要と言います。それなら、今こそ率先して、沖縄ではなく安倍首相の土地の近くにでも基地を誘致するべきです。間違っても今まで通り沖縄に基地を押し付け続けるような卑怯な・醜いことをしてはいけません。
沖縄は行政と圧倒的多数の沖縄住民が一体となって反基地闘争に立ち上がっています。辺野古基金は現在、8万人近くから5億円余り集まっていますが、低額で良いから今の10倍、100倍の人々がカンパを寄せませんか。