琉球新報5~6月

2016年06月27日 12:26

「全基地撤去を」 抗議の波、全県に拡大 米軍属女性遺棄事件  2016年5月21日

副知事、全米軍基地撤去に言及 「民意無視できず」  2016年5月21日

 米軍属女性死体遺棄事件を受け20日、県庁に謝罪に訪れたローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官とジョエル・エレンライク在沖米総領事に対し、安慶田光男副知事は「このような事件が繰り返されるのであれば、普天間飛行場の辺野古移設だけでなく、沖縄の基地全体について県民は反対する可能性が懸念される。事件に対する県民の気持ちは無視できない。注視していく」と述べ、県民の意思表示によっては、在沖米軍基地全撤去を求めていく考えを示した。日米安保体制を容認する翁長県政が在沖米軍基地全ての撤去を求める可能性に言及したのは初めて。・・後略

<社説>「殺害」示唆 植民地扱いは限界だ 許されない問題の矮小化  2016年5月21日

・・前略・・行方不明だった島袋里奈さん(20)が遺体となり見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された元米海兵隊員で軍属のシンザト・ケネス・フランクリン容疑者が「首を絞め、刃物で刺した」と供述した。・・中略・・ 政府は火消しに躍起とされる。沖縄は単なる「火」の扱いだ。このまま米軍基地を押し付けておくために当面、県民の反発をかわそうというだけなのだろう。沖縄の人も国民だと思うのなら、本来、その意を体して沖縄から基地をなくすよう交渉するのが筋ではないか。
・・中略・・ 19日に記者団から問い掛けられても無言だった安倍晋三首相は、20日になって「非常に強い憤りを覚える。今後、徹底的な再発防止などを米側に求めたい」と述べた。その安倍首相に問い掛けたい。これでも辺野古新基地の建設を強行するのですか。・・後略

東京でも憤りの声 海保、警視庁前で新基地反対集会  2016年5月22日

米軍の風俗活用が「解決策」 橋下氏が再び持論  2016年5月23日

・・前略・・米軍関係者の事件事故の再発防止について「(以前に)風俗の活用でも検討したらどうだ、と言ってやった。まあこれは言い過ぎたとして発言撤回したけど、やっぱり撤回しない方がよかったかも。きれいごとばかり言わず本気で解決策を考えろ!」と持論を展開した。
 このほか「朝日・毎日新聞をはじめとする自称人権派が米軍基地の存在を問題視している。ちょっと待て。日本人の殺人事件の比率と比較をしたのか。外国人だけと殊更批判するのであれば、自称人権派がいつも叫ぶ移民差別の流れになるぞ」と移民排斥の論理と重ね合わて批判した。

翁長知事「県民の思い爆発状態」 菅氏に反発  2016年5月23日

沖縄県の翁長雄志知事は23日、元米海兵隊員の軍属が逮捕された女性遺棄事件を巡り、翁長氏が米大統領との面会設定を求めたことに菅義偉官房長官が困難との認識を示したことに反発した。「在日米軍を支える県民の思いを心の中に押し込めることができないくらい爆発状態だ」と述べた。

米軍撤退を 米軍属女性遺棄 緊急県民集会  2016年5月25日

オバマ氏、女性遺棄事件謝罪せず 地位協定改定も否定  2016年5月26日

これが海兵隊の研修か!! 米軍は「カリスマ」沖縄県民見下し…  2016年5月26

沖米海兵隊が沖縄に着任した兵士らを対象に実施した沖縄の歴史や政治状況を説明する研修で、沖縄の政治環境について「沖縄県と基地周辺の地域は沖縄の歴史や基地の過重負担、社会問題を巧妙に利用し、中央政府と駆け引きしている」と記述し、沖縄側が基地問題を最大限に政治利用していると説明していることが分かった。 米軍に批判的な沖縄の世論については「多くの人は自分で情報を入手しようとせず、地元メディアの恣意(しい)的な報道によって色眼鏡で物事を見ている」と記述するなど、県民を見下すような記述もあった。 英国人ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏が情報公開請求で入手した。資料には「2016年2月11日」と日付が記載されており、最近の研修でも使われたとみられる。・・後略

米軍が異例の記者会見 撤退要求に危機感か  2016年5月29

 ・・前略・・ニコルソン氏は記者会見の直後に翁長雄志知事と電話会談し、基地外の飲酒や深夜外出規制の実施を報告。こうした規制は過去に何度も行われたが、翁長知事は事件を根絶できなかった点を指摘し、沖縄への基地集中の解消や、米軍にさまざまな特権を認めた地位協定見直しを含む抜本的な解決を求めた。
 だが日米両政府は事件後早々に、地位協定の改定に否定的な見方を示し、県が「基地負担の固定化につながる」と反対する普天間飛行場の辺野古移設も推進する方針を表明している。・・後略

伝わらない 日本政府の怒り 前泊博盛・沖縄国際大教授  2016年5月30日

 ・・前略・・この国の政府は、かつて国民の命よりも国体護持を優先し、敗戦を遅らせ、沖縄戦の惨禍と核の悲劇も招いた。敗戦から70年たった今は、国民の命よりも日米同盟と米軍駐留を優先し、国民を犠牲にする。残念な国である。・・後略

女を、沖縄を、なめるな 上野千鶴子・東京大名誉教授NPO法人WAN理事長  2016年5月31日

 ・・前略・・少女は拉致され、監禁され、女性は殴られ、暴行され、殺され、アイドルはつきまとわれ、脅迫され、刺される。愛や性欲からではない。どうにでもなるはずの相手を、恐怖でコントロールしたいという、支配の欲望からだ。コントロールできないことがわかると、逆ギレする。 男のお守りはもうたくさんだ。女に甘え、女に依存し、女につけこみ、女をなめきり、それができないと逆ギレする。いいかげんにしろ、と言いたい。 同じことを、男女を日本政府と沖縄に入れ替えて、言いたくなる。沖縄に甘え、沖縄に依存し、沖縄につけこみ、沖縄をなめきり、それができないと逆ギレする。いいかげんにしろ、と言いたい。日本政府と米軍への「思いやり」はもうたくさんだ、と沖縄は言いたいだろう。その怒りは本土の私たちに向けられている。

県議選候補、全員が「海兵隊撤退・縮小」要求 琉球新報アンケート  2016年6月1日

米軍関係起訴率18.7% 2015年一般刑法犯 特別扱い浮き彫り  2016年6月3日

 2015年の1年間に国内で発生した米軍関係者(米兵・軍属・家族)による「一般刑法犯」(刑法犯から交通事故による業務上過失致死傷、重過失致死傷を除く)の起訴率が約18・7%だったことが2日、日本平和委員会の調べで分かった。14年の米軍関係者の起訴率は15・6%で、同年の日本人も含めた起訴率38・5%に比べると大幅に低く、米軍関係者の犯罪が依然として特別扱いされている現状が浮き彫りとなった。一方、15年の沖縄県内における米軍関係者の同起訴率は約34%だった。

 米軍関係者による一般刑法犯で第1次裁判権が日本にある91件のうち、74件が不起訴。強姦(ごうかん)・強姦致死傷については5人全員が不起訴で、2001~15年の15年間でも両罪での起訴率は約17・9%にとどまった。
 日本平和委員会は米軍関係者の起訴率が低い背景に、1953年に結ばれた米兵の公務外での犯罪について「日本側が重要案件以外第1次裁判権を放棄する」との密約の存在があると指摘。「密約を日本政府が現在も忠実に実行している証拠だと捉えている」とした。
 一方で県内の起訴率が全国と比べ高いことについては「沖縄には基地が集中しており日常的に事件が発生しているので、県民の目が他県に比べて厳しいということも影響しているのではないか」との認識を示した。
 同委員会は法務省に開示請求した「合衆国軍隊構成員等犯罪事件人員調」を基にデータをまとめた。

 

「沖縄からの全基地撤去」が42・9%で最多 琉球新報社と沖縄テレビ放送の沖縄県内世論調査

2016年6月2日

琉球新報社は沖縄テレビ放送(OTV)と合同で5月30日~6月1日、米軍属女性遺棄事件を受けて18歳以上の県民を対象に世論調査を実施した。米軍関係者の事件事故の防止策には「沖縄からの全基地撤去」が最も多く42・9%で、次いで「在沖米軍基地の整理縮小」が27・1%と続いた。県議会の抗議決議に初めて盛り込まれた「海兵隊の全面撤退」を支持したのは52・7%で、「大幅に減らすべきだ」の31・5%を上回った。基地あるが故の事件の発生で県民の「反基地」感情の高まりが強く表れた結果となった。
 日米両政府が見直しを否定している日米地位協定については79・2%が改定・撤廃を求めた。政府が進める米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設には83・8%が反対の意向を示し、これまでの調査で最も高い値となった。事件後の日米首脳会談での安倍晋三首相の対応については70・5%が支持しないと答えた。

普天間県外移設「本土で反対起こる」 98年梶山官房長官が書簡  2016年6月4日

 米軍普天間飛行場の返還合意時の官房長官だった故梶山静六氏が1998年、普天間飛行場の移設先が沖縄以外だと「必ず本土の反対勢力が組織的に住民投票運動を起こす」と本土側の反発を恐れ、名護市辺野古を移設先とする理由を記していたことが3日分かった。現在の安倍政権は「辺野古が唯一」として移設計画を強行する姿勢を崩していないが、普天間飛行場の県内移設が政府説明による米軍の抑止力などではなく、政治的都合によって沖縄に押し込められていった構図が改めて浮き彫りになった。

・・中略・・ 政府はこれまで、普天間飛行場の県内移設について、沖縄の「地理的優位性」や米海兵隊の「抑止力」の必要性を挙げて説明してきた。
 だが県は、もともと米海兵隊が本土にあったことなどから、沖縄への米軍基地集中は地理的必然性によるものではなく、合理的な説明は一切なされていないと反論している。

日米防衛相会談、地位協定改定を議論せず 「軍属」は範囲明確化へ  2016年6月5日

玉城義和県議が死去 島ぐるみ会議事務局長 67歳  2016年6月4日

辺野古阻止の取り組み強化へ 沖縄県、県議選大勝の与党が後押し  2016年6月6日

 沖縄県議選で翁長雄志知事を支持する県政与党が勝利した。与党はこれまで、米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設阻止を掲げる翁長県政と“両輪”として機能してきた。翁長知事は、新基地建設阻止に向けた取り組みの予算確保や、民意を示す意見書・決議の可決などで引き続き県議会の後押しが得られることになる。安定的な県政運営を背景に、県は今後も強い姿勢で日米両政府に対して辺野古移設の見直しを迫っていくことになる。・・後略

全議会が抗議決議へ 米軍属事件で沖縄県内の自治体  2016年6月9日

米兵から乱暴「殺される寸前」 「本土は基地引き取って」 沖縄の抗議集会、告白者の訴えに涙

2016年6月9日

「全ての基地撤去を」 沖縄の軍属事件、女性団体が追悼・抗議集会  2016年6月9日

<金口木舌>きっぱりと語る首相  2016年6月10日

いつからだろうか。首相の記者会見が夕方6時台のニュースの時間帯を狙うようになったのは。時に、さほど重要でもない内容を延々と生中継することもある

▼とっくに報道済みの消費増税再延期を表明した1日の会見も、その類いだった。「新しい判断」という新語で「公約違反」を覆い隠す弁明を繰り返した。都合のいい数字を並べ立て、自己陶酔するように30分間語り続けた
▼安倍晋三首相は強い言葉がお好きのようだ。2年前は「再び延期することはない。断言する」「財政再建の旗を降ろすことは決してない」と言い切った
▼「辺野古が唯一」「汚染水は完全にブロック」「戦争に巻き込まれることは絶対にない」「この道しかない」。他にも「必ず」「全く」「断じて」をよく使う。勇ましい言葉の大安売りだと、眉に唾をつけたくなる
▼こんな詩がある。〈気をつけたほうがいいのだ、/何事もきっぱりと語るひとには。/です。であります。なのであります。/語尾ばかりをきっぱりと言い切り、/本当は何も語ろうとしていない。/ひとは何をきっぱりと語れるのか?〉
▼詩人・長田弘さんの「嘘でしょう、イソップさん」の一節だ。詩は続く。〈語るべきことをもつひとは、言葉を/探しながら、むしろためらいつつ語る。〉。口先だけでなく、心からの本物の言葉を語れる一国のリーダーはいないものか。

辺野古移設係争処理委、参考人陳述を不採用 結論は来週にも  2016年6月11日

陸自配備阻止訴え 宮古で集会 市民、地下水保全求め  2016年6月12日 11:18

自衛隊配備に「ノー」 200人、石垣市役所包囲  2016年6月14日

32都道府県で抗議集会計画 19日の県民大会と連動 米軍属事件  2016年6月16日

オスプレイ3機 高江で同時訓練  急降下も  2016年6月17日

米軍北部訓練場の一部返還計画に伴い新設された東村高江のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)のN4地区付近で16日、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが3機同時に離着陸と旋回を繰り返す様子が確認された。