琉球新報4~5月

2016年06月06日 07:49

新基地「壮大な愚行」 知事、係争委で埋め立て批判 国「承認に瑕疵ない」  2016年4月23日

 
・前略・・県からは翁長知事が意見陳述し、辺野古の埋め立ては「人類共通の財産を地球上から消失させた壮大な愚行
 
として後世に語り継がれることになりはしないかと危惧している」と訴えた。・・後略

 

ジュゴンの食み跡確認されず 辺野古の藻場、浮具など設置の14年夏以降  2016年4月23日

 
 米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に伴い、辺野古沖と大浦湾に浮具(フロート)と浮標灯(ブイ)が設置され
 
た2014年8月以降、辺野古崎付近の藻場でジュゴンの食(は)み跡が確認されていないことが分かった。22日までに
 
公表された沖縄防衛局の水域生物調査報告書で明らかになった。ウミガメの米軍キャンプ・シュワブ沿岸部への上陸も
 
14年は確認されなかった。専門家は、ジュゴンやウミガメが海上作業による影響を受けた可能性を指摘している。 後
 
 

普天間一時移転 馬毛案、所有者が政府に条件提示  2016年4月27日

 
おおさか維新の会が米軍普天間飛行場の基地機能の一時移転を計画している鹿児島県の馬毛島(西之表市)について
 
、土地所有者が借料などの条件を政府に提示したことが26日、分かった。関係者によると条件は、国と年間20億円の
 
賃貸借契約を結び、5年後に国に売却するというもので、おおさか維新を通じて菅義偉官房長官に示された。中略・・ 馬
 
毛島は種子島の西約12キロの無人島で、立石氏は4200メートルと2400メートルの滑走路造成を進めている。立石
 
氏は14日付で政府に条件を提示し、条件には「沖縄県の米軍基地の過重な負担軽減のために、馬毛島を日米共同使
 
用の施設にすることを了解する」との文言も入れた。立石氏は「馬毛島の飛行場建設は荒造成までやり遂げており、すぐ
 
にでも活用できる」とし早期の活用を要望している。・・後略

 

普天間飛行場「豊かな集落だった」 字宜野湾郷友会が戦前のイメージ映像作成  2016年4月26日

 
沖縄県宜野湾市の字宜野湾郷友会(宮城政一会長)は25日、宜野湾区公民館で同郷友会が作成したDVD「戦前集
 
落イメージムービー」の完成お披露目会を開いた。米軍普天間飛行場は「何もないところにできた」と字宜野湾戦前集落
 
の存在を否定する発言などに対し、集落の存在を証明することなどが目的。戦前の家屋や文化を立体映像で紹介する
 
ことで、集落の歴史や文化を次世代に継承する狙いもある。DVDは会員や市内の公共機関に配布する予定だ。・・後
 
 

きょう4・28、沖縄「屈辱の日」 講和条約発効から64年  2016年4月28日

 
 1952年4月28日にサンフランシスコ講和条約が発効してから28日で64年となった。敗戦後、連合
 
国軍の占領下にあった日本は条約発効で独立を果たしたが、沖縄や奄美は日本から切り離された。沖縄が日本
 
復帰するまで米施政権下にあった27年間、本土から沖縄へ基地が移転。日本国憲法が適用されず、人権が蹂
 
躙(じゅうりん)された。過重な基地負担など現在の沖縄差別の源流ともなったこの日は「屈辱の日」と呼ば
 
れる。 日本政府は52年7月、米国民政府との連絡を担う那覇日本政府南方連絡事務所(南連)を設置した
 
が、沖縄の住民を「琉球住民」と定義し、沖縄在住で日本本土の国籍を持つ「日本人」とは区別していた。南
 
連の沖縄政策は、「日本人」は保護の対象だが「琉球住民」は対象外としており、識者は「沖縄差別の源流で
 
はないか」と指摘している。 2013年4月28日には、安倍晋三首相が主権回復の日式典を催し、沖縄か
 
らは強い反発の声が上がった。28日午後6時15分から、沖縄平和運動センターが県民集会とデモ行進を県
 
庁前で開く。
 
文科政務官発言「許せない」 誤認教科書容認に抗議 「9・29決議実現させる会」 2016年4月28日
 
帝国書院の高校教科書での沖縄関連コラムの誤記問題をめぐり、堂故(どうこ)茂文部科学政務官が「検定意
 
見を付して修正を求めるには至らなかった」との見解を26日に示したことに対し「9・29県民大会決議を
 
実現させる会」(世話人・仲西春雅県高校PTA連合会会長)と仲里利信衆院議員(無所属)は27日、県庁
 
内で記者会見し、堂故政務官と文部科学省に抗議した。「-実現させる会」の玉寄哲永相談役は「文科省がい
 
いかげんな検定をし、それが世に出るのは許されない」と訴えた。 教科書「新現代社会」の沖縄経済と米軍
 
基地に関する当初のコラムは「県内の経済が基地に依存している度合いはきわめて高い」などと記していた。
 
検定意見は付かなかったが、帝国書院は訂正申請によって記述を改めた。 会見で仲里議員は「沖縄は特別に
 
予算を上積みされているというようなうそを子どもたちに教えようとしている。本当のことを教えなければ沖
 
縄はいつまでも植民地だ」と訴えた。 また福元勇司県高教組委員長は「文科省自体が沖縄予算に関して誤っ
 
た認識を持っているのではないか」と指摘。玉寄相談役も「予算を基地とリンクさせない姿勢が、いつのまに
 
かリンクさせる姿勢に変わっている」と、当初の記述を認めた文科省の姿勢を批判した。
 
 「-実現させる会」と仲里氏は今後文科省に対し直接抗議し、沖縄問題に詳しい識者ら第三者を加えること
 
など検定制度の在り方などについて申し入れる考えだ。

 

「差別許さない」 4・28「屈辱の日」、那覇で300人集会   2016年4月29日

 

島尻氏の推薦未決定 公明県本は「県外」主張  2016年4月29日

 

辺野古基金5億6千万に 裁判研究、反対運動体を支援  2016年5月2日

 
 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古での新基地建設阻止を目的とした「辺野古基金」の運営委員会
 
が2日、那覇市内であり、4月27日時点での寄付金総額が5億6414万5729円(記帳件数9万
 
3231件)に達したことを発表した。 新基地建設阻止に向けた運動体の「オール沖縄会議」に4月4日に
 
6千万円を振り込んだことや、新基地建設を巡る国と県との裁判闘争について、法的側面から県側をバックア
 
ップする「辺野古訴訟支援研究会」へ今後800万円を支援することなどが確認された
 
「体を休め、次の闘いに」 鳩山元首相、市民ら激励 名護市辺野古のシュワブ前 2016年5月7日
 
米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、鳩山由紀夫元首相が7日午前、米軍キャンプ・シュワ
 
ブゲート前の座り込み現場を訪れ市民らを激励した。この日は約150人が参加し、「コンクリートブロックも早く撤去せよ」
 
などと拳を上げた。 ・・後略
 

<金口木舌>忘れさせない沖縄  2016年5月11日

 
 著書「忘れられた日本人」で知られる民俗学者の宮本常一さんは1969年に沖縄を訪れ、「私の日本地図
 
-沖縄」と題する書を編んだ。浜比嘉島の古老との対話は、復帰前の県民意識を垣間見るようで印象深い
 
▼「復帰してしあわせになると思いますか」という宮本さんの問いに「しあわせになるとは思えません。それで
 
も本土へ復帰したいですね」と古老。「アメリカはどこまでも他所(よそ)者です。本土はやっぱり内輪です
 
から」
 
▼本土を「仲間」と受け止める古老の言葉に接し、宮本さんは自問する。「そういう期待にこたえるだけのもの
 
を本土の人たちは持っているであろうか」と ・・後略
 

ここは日本ですか? 米軍ヘリ11機、沖縄で…  2016年5月12日

 
米軍普天間飛行場所属のAH1W、UH1ヘリコプター11機が10日午後1時50分ごろ、うるま市や沖縄市、宜野湾
 
市上空を編隊飛行する様子が確認された。沖縄市役所には「低く飛びうるさい」「怖い」などの苦情が少なくとも2件寄せ
 
られた。中略・・「11機が1列になり、低空で飛んでいた。爆音も振動を伴い、身の危険を感じた。落ちてくるのではない
 
かと思った。寝ていた息子も飛び起き、泣いていた。地元住民に連絡もなく、沖縄の空を自由に飛ぶ米軍に憤りを覚える
 
」・・後略
 

平和な島願い行進 5・15本島3コース出発 辺野古で「阻止闘いに力を」 2016年5月13日

 
復帰44年第39回5・15平和行進が13日午前9時半すぎ、県内の「東」「西」「南」の3コースで一斉に始まった。「東」と「
 
西」は3日間かけて本島中南部の米軍基地の間を縫うように巡り、「南」は南部戦跡を歩く。最終日の15日、那覇市の新
 
都心公園で合流し、正午から5・15平和とくらしを守る県民大会を開く。・・後略
 

目取真俊さん「抗議せざるを得ず」 沖縄の現状、東京で説明  2016年5月15日

 
【東京】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設への抗議活動中に拘束、逮捕された芥川賞作
 
家、目取真俊さん(55)が14日、東京都千代田区の法政大学で講演した。目取真さんは「ウチナーンチュ
 
は好きでもない抗議行動をやらざるを得ない。自分の時間をつぶさざるを得ない。それがなぜかと考えてほし
 
い」と問い掛けた。目取真さんは米軍基地がない方が沖縄の観光、経済に有益だと指摘した上で「基地は沖縄
 
のメリットになるといううそを本土の人たちが信じているのは基地を沖縄に押し付けていることへのやましさ
 
から目を背けたいからではないか。沖縄が米軍基地を誘致したわけではない」と強調した。・・後略
 

新基地阻止へ連帯 復帰44年、那覇で県民大会 2500人結集  2016年5月16日

 
 沖縄の施政権が米国から日本に返還されてから44年となった15日、「復帰44年 平和とくらしを守る県民大会
 
」(5・15平和行進実行委員会、沖縄平和運動センター主催)が那覇市の新都心公園で開かれた。13日から県内各地を
 
巡った第39回5・15平和行進の参加者をはじめ、約2500人(主催者発表)が参加した。・・後略
 

辺野古警備2社独占 陸と海、2年半で契約総額165億円  2016年5月16日

 
米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古での新基地建設で、陸上、海上の警備業務がそれぞれ特定の警備業者の
 
独占状態にあり、警備業務の契約総額が、2014年6月から16年12月の2年半で少なくとも165億円に上ることが15
 
日分かった。また海上警備業務を請け負う警備会社のマリンセキュリティー(沖縄市泡瀬)が1週間に40時間以上、勤務
 
させるために義務付けられた労使間の協定を結ばないまま、超過勤務させ、残業代も支払っていなかったことも分かっ
 
た。15日、従業員が明らかにした。・・後略
 

沖縄を平和の拠点に 北京の研究者会議 自己決定権、米軍基地で議論  2016年5月17日

 
沖縄、中国双方の研究者らが琉球・沖縄史や中国との交流史を議論する「第2回琉球・沖縄最先端問題国際学術会議
 
」(中国戦略・管理研究会、北京大学歴史学部、北京市中日文化交流史研究会主催)は最終日の16日、中国の北京大
 
学で沖縄の自己決定権や米軍基地問題、独立などを巡って意見を交わした。その中で、中国の研究者から沖縄の自己
 
決定権行使に理解を示す意見が聞かれた。双方の発表者から、沖縄は東アジアの平和的要、交流の拠点として重要と
 
の意見が相次いだ。 最終日は、比屋根照夫琉球大名誉教授や又吉盛清沖縄大客員教授ら沖縄側7人、中国側12人
 
、日本本土から2人が研究成果などを報告した。
 
 比屋根氏は近代沖縄の知識人がアジアをどう見ていたかについて報告。「沖縄ほど抑圧の歴史を分かる人々はいな
 
い」と述べた。又吉氏は「沖縄戦の被害が大き過ぎて沖縄では戦争の被害の側面ばかり言われているが、加害責任も追
 
及されねばならない。東アジアの人々と共通認識を持つためにも必要だ」と話した。
 
 八重山郷土史家の大田静男氏は尖閣諸島問題に触れ「小さな島から見えることは、未来に向かって国民国家の壁を
 
取り払い、共同体社会をつくり上げる必要性だ」と主張した。
 
 松島泰勝龍谷大教授は「先住民族としての琉球人の自己決定権行使」、友知政樹沖縄国際大教授は「全基地撤去後
 
、全補助金撤廃後の琉球・沖縄経済に関する一考察」と題し発表した。
 
 新垣毅琉球新報東京報道部長は、なぜ沖縄で自己決定権が叫ばれているかを説明。「日中の紛争が起これば沖縄は
 
真っ先に戦場になる。両国、あるいはアジアの懸け橋になる資格があるし、役割を果たせる。そのためにも自己決定権
 
が重要だ」と強調した。吉田伸沖縄タイムス学芸部記者は在沖米軍基地の現状を解説し、日本本土側の無関心を批判
 
した。
 

「辺野古唯一」に疑問も 米有識者と知事、意見交換 他案にも関心示す  2016年5月17日

 

辺野古抗議は「プロ市民」? 沖縄の基地ウソ/ホント  2016年5月17日

 
「背負ったリュックに中国からもらったお金が入っていて、座り込み参加者に配っていると言われているが、
 
中身は雨具だ」。米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、市民らが抗議の座り込みをす
 
る米軍キャンプ・シュワブのゲート前。雨の日に沖縄平和運動センターの山城博治議長があいさつでよく口に
 
するフレーズだ。退院以降、雨にぬれないよう気を使う山城さんは「根も葉もない、いい加減な情報がまかり
 
通っている」と語気を強める。
 
 インターネットでは市民らの抗議行動をやゆする言説が多く見られる。座り込みをする市民を「プロ市民」
 
と呼び、県外から来た一部の活動家だ、と定義するのもそうだ。
 
 ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は「一体どういう定義か。いずれにせよでたらめだ」と苦笑する。
 
辺野古に基地移設が浮上してから活動を続けるヘリ基地反対協。共同代表ら中心人物にはカンパから行動費と
 
して月1万円が充てられる。ただ、連日、辺野古漁港側のテント村に通う活動の足しにもならない。辺野古基
 
金からヘリ基地反対協への支援分は、新聞などの意見広告とグラスボートの購入費に充てられた。日常の運営
 
には一切使われていない。
 
 海上行動をする市民らの食費だけは反対協がカンパから負担している。座り込みの市民らには当然、日当は
 
出ない。「座り込み参加者は弁当も自己負担。新基地を造らせないという思いで集まっている。それで何が“プ
 
ロ”なのか」と安次富さんは指摘する。
 
 県外からも多くの人がゲート前に訪れる。定期的に訪れる中部の60代の女性らは「本土の人が沖縄だけの
 
問題ではないと当事者意識を持って集まっている。震災などのボランティアと同じ。感謝している」と話す。
 
その一方、「県外の人だけというのはとんでもない。団体に所属していない多くの県民が連日集まっている
 
」。
 
 毎日の座り込みで動員を誇るのが島ぐるみ会議のチャーターバスだ。毎日午前10時に県庁前を出発するバ
 
スは誰でも乗れ、費用は一人往復千円。他にも各地の島ぐるみ会議が定期的にバスを出して連日
 
100~200人がゲート前を訪れる。
 
 県民の中には反対していても抗議行動に参加できない人は多い。琉球新報社が4月、辺野古、豊原、久志の
 
久辺3区で辺野古問題に対する聞き取り調査をしたところ、「反対」と回答してもゲート前の抗議に参加して
 
いる住民はわずかだった。一様に「狭い地域なので目立った反対はできない」と声を落とした。
 
 ネットで流布する「プロ市民」という言葉について、沖縄国際大学の佐藤学教授(政治学)は「全国的に基
 
地問題だけでなく、政府に対し、反対する行動を取る市民らを“プロ市民”と非難する言説が見られる。運動が限
 
定的な一部の活動家によるものだと、矮小(わいしょう)化する印象を持たせようとするものだ」と指摘した
 
 

辺野古「変更できる」 米議員、比国の例挙げ知事に言及  2016年5月18日

 
訪米中の翁長雄志知事は16日、米上下両院の議員4人と面談した。米下院歳出委員会のトム・コール下院議員(共和)
 
は「1960年代のフランスや90年代にフィリピンがそうだったように、(辺野古移設に関し)日本政府が要請すれば変更
 
の可能性がある。日本政府が解決策を出せば、それを尊重するよう、私は(米)政府に働き掛ける。沖縄にとって平等な
 
解決策が出てくることを期待したい」と述べた。翁長知事に対し、現職の米連邦議員が辺野古移設以外の選択肢が受け
 
入れ可能だとの認識を示したのは初めて。・・後略

 

県警、米軍属男性逮捕へ うるま市不明女性の死体遺棄容疑  2016年5月19日

 

「怒り 持って行き場ない」 知事、政府を痛烈批判   2016年5月20日

 
米軍属女性死体遺棄事件を受け、翁長雄志知事は19日夜、成田空港で報道陣に対し「この怒りは持って行き場がない
 
。痛恨の極み。沖縄の知事として大変残念だ」などと沈痛な表情で述べた。翁長知事は事件について「基地あるがゆえ
 
に事件が起きてしまった」と強調し、米軍普天間飛行場の移設問題を含めた基地問題に「不退転の決意で取り組みたい
 
」と話した。 ・・後略
 

「全基地撤去を」 抗議の波、全県に拡大 米軍属女性遺棄事件  2016年5月21日

 

副知事、全米軍基地撤去に言及 「民意無視できず」  2016年5月21日

 
 米軍属女性死体遺棄事件を受け20日、県庁に謝罪に訪れたローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官とジョエル・エ
 
レンライク在沖米総領事に対し、安慶田光男副知事は「このような事件が繰り返されるのであれば、普天間飛行場の辺
 
野古移設だけでなく、沖縄の基地全体について県民は反対する可能性が懸念される。事件に対する県民の気持ちは無
 
視できない。注視していく」と述べ、県民の意思表示によっては、在沖米軍基地全撤去を求めていく考えを示した。日米
 
安保体制を容認する翁長県政が在沖米軍基地全ての撤去を求める可能性に言及したのは初めて。・・後略

 

<社説>「殺害」示唆 植民地扱いは限界だ 許されない問題の矮小化  2016年5月21日

 
・・前略・・行方不明だった島袋里奈さん(20)が遺体となり見つかった事件で、死体遺棄容疑で逮捕された元米海兵隊
 
員で軍属のシンザト・ケネス・フランクリン容疑者が「首を絞め、刃物で刺した」と供述した。事実なら、事故などでなく意図
 
的に殺害したことになる。しかも遺体は雑木林に放置された。被害者の恐怖と無念はいかばかりか。想像すると胸が張
 
り裂けそうになる。もう限界だ。今のままの沖縄であってはならない。・・中略・・ 政府は火消しに躍起とされる。沖縄は単
 
なる「火」の扱いだ。このまま米軍基地を押し付けておくために当面、県民の反発をかわそうというだけなのだろう。沖縄
 
の人も国民だと思うのなら、本来、その意を体して沖縄から基地をなくすよう交渉するのが筋ではないか。
 
 だが辺野古新基地建設を強行しようという政府の方針には何の変化もないという。この国の政府は明らかに沖縄の側
 
でなく、何か別の側に立っている。
 
 19日に記者団から問い掛けられても無言だった安倍晋三首相は、20日になって「非常に強い憤りを覚える。今後、徹
 
底的な再発防止などを米側に求めたい」と述べた。その安倍首相に問い掛けたい。これでも辺野古新基地の建設を強行
 
するのですか。・・後略

 

東京でも憤りの声 海保、警視庁前で新基地反対集会  2016年5月22日

 

米軍の風俗活用が「解決策」 橋下氏が再び持論  2016年5月23日

 
・・前略・・米軍関係者の事件事故の再発防止について「(以前に)風俗の活用でも検討したらどうだ、と言ってやった。ま
 
あこれは言い過ぎたとして発言撤回したけど、やっぱり撤回しない方がよかったかも。きれいごとばかり言わず本気で解
 
決策を考えろ!」と持論を展開した。
 
 このほか「朝日・毎日新聞をはじめとする自称人権派が米軍基地の存在を問題視している。ちょっと待て。日本人の殺
 
人事件の比率と比較をしたのか。外国人だけと殊更批判するのであれば、自称人権派がいつも叫ぶ移民差別の流れに
 
なるぞ」と移民排斥の論理と重ね合わて批判した。
 

翁長知事「県民の思い爆発状態」 菅氏に反発  2016年5月23日

 
沖縄県の翁長雄志知事は23日、元米海兵隊員の軍属が逮捕された女性遺棄事件を巡り、翁長氏が米大統領との面会
 
設定を求めたことに菅義偉官房長官が困難との認識を示したことに反発した。「在日米軍を支える県民の思いを心の中
 
に押し込めることができないくらい爆発状態だ」と述べた。
 

米軍撤退を 米軍属女性遺棄 緊急県民集会  2016年5月25日

 

オバマ氏、女性遺棄事件謝罪せず 地位協定改定も否定  2016年5月26日

 

これが海兵隊の研修か!! 米軍は「カリスマ」沖縄県民見下し…  2016年5月26

 
沖米海兵隊が沖縄に着任した兵士らを対象に実施した沖縄の歴史や政治状況を説明する研修で、沖縄の政治環
 
境について「沖縄県と基地周辺の地域は沖縄の歴史や基地の過重負担、社会問題を巧妙に利用し、中央政府と
 
駆け引きしている」と記述し、沖縄側が基地問題を最大限に政治利用していると説明していることが分かった
 
。 米軍に批判的な沖縄の世論については「多くの人は自分で情報を入手しようとせず、地元メディアの恣意
 
(しい)的な報道によって色眼鏡で物事を見ている」と記述するなど、県民を見下すような記述もあった。 
 
英国人ジャーナリストのジョン・ミッチェル氏が情報公開請求で入手した。資料には「2016年2月11日
 
」と日付が記載されており、最近の研修でも使われたとみられる。・・後略
 

米軍が異例の記者会見 撤退要求に危機感か  2016年5月29

 
 ・・前略・・ニコルソン氏は記者会見の直後に翁長雄志知事と電話会談し、基地外の飲酒や深夜外出規制の実施を報
 
告。こうした規制は過去に何度も行われたが、翁長知事は事件を根絶できなかった点を指摘し、沖縄への基地集中の解
 
消や、米軍にさまざまな特権を認めた地位協定見直しを含む抜本的な解決を求めた。
 
 だが日米両政府は事件後早々に、地位協定の改定に否定的な見方を示し、県が「基地負担の固定化につながる」と反
 
対する普天間飛行場の辺野古移設も推進する方針を表明している。・・後略
 

伝わらない 日本政府の怒り 前泊博盛・沖縄国際大教授  2016年5月30日

 
 ・・前略・・この国の政府は、かつて国民の命よりも国体護持を優先し、敗戦を遅らせ、沖縄戦の惨禍と核の悲劇も招い
 
た。敗戦から70年たった今は、国民の命よりも日米同盟と米軍駐留を優先し、国民を犠牲にする。残念な国である。・・
 
後略
 

女を、沖縄を、なめるな 上野千鶴子・東京大名誉教授NPO法人WAN理事長  2016年5月31日

 
 ・・前略・・少女は拉致され、監禁され、女性は殴られ、暴行され、殺され、アイドルはつきまとわれ、脅迫され、刺される
 
。愛や性欲からではない。どうにでもなるはずの相手を、恐怖でコントロールしたいという、支配の欲望からだ。コントロー
 
ルできないことがわかると、逆ギレする。 男のお守りはもうたくさんだ。女に甘え、女に依存し、女につけこみ、女をなめ
 
きり、それができないと逆ギレする。いいかげんにしろ、と言いたい。 同じことを、男女を日本政府と沖縄に入れ替えて、
 
言いたくなる。沖縄に甘え、沖縄に依存し、沖縄につけこみ、沖縄をなめきり、それができないと逆ギレする。いいかげん
 
にしろ、と言いたい。日本政府と米軍への「思いやり」はもうたくさんだ、と沖縄は言いたいだろう。その怒りは本土の私た
 
ちに向けられている。