琉球新報4月

2018年07月01日 17:56

「沖縄はめげない」 辺野古ゲート前県民大行動に400人

2018年4月7日

米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に反対する政党や市民団体などで構成するオール沖縄会議は7日、毎月第1土曜日恒例の「県民大行動」を実施した。

 

 正午までに名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前には市民400人以上が訪れ、「新基地反対」「違法な工事はやめろ」などと抗議の声を上げた。県内各地の島ぐるみ会議などから市民が続々と集まっている。

 

 工事車両による基地内への資材や土砂などの搬入は確認されていない。

 

 沖縄平和運動センターの山城博治議長も4、5日に続いてゲート前で座り込み、「沖縄はめげない。引き続き座り込み、抗議の意志を発信しよう」と呼び掛け、決意を新たにした。海上ではカヌーに乗った市民が抗議している。

辺野古新基地 県民投票巡り意見二分 県政与党内、慎重論強く

2018年4月9日

 沖縄県の翁長雄志知事を支える県議会与党会派は、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に対し、反対の民意を示す手段として「県民投票」の実施を巡る議論を続けてきた。政府が辺野古海域への土砂投入に向けた作業を進める中で、革新政党の間では「撤回のタイミングを逸してしまう」など県民投票を困難視する意見が大勢を占めている。一方で一部会派や市民団体は、署名活動や知事への要請など独自に動き始めている。実施判断のタイムリミットを迎えつつある「県民投票」を巡る論点をまとめた。

 金秀グループの呉屋守将会長は「反対の民意が示されることで埋め立て承認撤回の公益性の根拠になる」と語り、辺野古新基地建設の是非を問う県民投票の実施を訴えてきた。
 
 名護市長選の敗北の責任を取る形でオール沖縄代表会議の共同代表を辞任した呉屋氏だが、オール沖縄会議の中で県民投票に向けた議論が進まないことにも不満を募らせていた。呉屋氏は「負けるリスクを恐れて県民の考えを聞かないとしたら政治は信頼をなくす。県民投票を経ない撤回こそリスクだ」と語る。

 県民投票の実施には、県議会で条例を制定する必要がある。社民・社大・結、共産、会派おきなわの県政与党3会派は3月末までに結論を出すことを目指し、県民投票の可否について議論してきた。だが、年度内に意見の集約が図られることはなく、与党としての条例提案は事実上の見送りの形となった。

 これを受け、3会派の中で唯一、県民投票を積極的に主張してきた会派おきなわは、翁長知事の発議による条例制定を求めていく方針を決めた。

 埋め立て承認を撤回した後の裁判で判断の公益性が問われることを想定し、同会派の議員は「裁判所を納得させるには県民投票しかない」と語る。

 今月3日にオール沖縄会議からの脱会を表明したかりゆしグループも、県民投票を巡る見解の相違を脱会の理由とした。かりゆしの當山智士社長は「県民投票が手順として必要だ。知事にイニシアチブをとってほしい」と語った。

 有権者の中からは、県内の学者や学生でつくる「辺野古県民投票を考える会」が、県民の主体的な運動として県民投票に賛同する署名集めを始める。仮に有権者が直接条例制定を請求する場合は、2カ月以内に有権者全体の50分の1以上の署名を集めなければならない。

 「考える会」で中心となって活動する元山仁士郎氏は有権者の10分の1の署名確保を目指して、活動に必要な態勢づくりを急ぐ。呉屋会長も賛同し、条例制定を求める請求代表者に名を連ねる。

 国の埋め立て工事を止める手段として翁長知事の承認撤回を唱える政党や労働組合は、辺野古海域への土砂投入や秋の知事選が近づく中で、撤回前の県民投票を目指す動きに戸惑いを隠さない。

 与党会派としての結論は出ていないが、共産は「埋め立て海域に土砂が投入されるタイミングで県が撤回を考えている場合、県民投票に引きずられて撤回のタイミングを逃すこともありえる」と指摘。社民・社大・結の議員は「県民投票を否定はしないが、手続きを考えるとスケジュール的に間に合わない」と語る。

 県政与党やオール沖縄会議は県民投票の研究を続けてきたが、ある与党県議は「与党会派や知事による条例提案では、自民党の反対で全会一致にはならない。すると保守系首長の市町村が投開票事務に協力しない可能性が高い」と語り、自民党のボイコットによる投票率の低下や予算確保といった実務的な困難が多いと主張する。

 「事務を拒否する市町村に対して知事が代執行の措置をとれば、強権的だと批判される。そもそも市町村に代わって事務を行う人員や場所、予算を確保できるのかという技術的な問題がある」と指摘する。

 有権者の直接請求による条例制定という「下からの運動」については、大田県政時代の1996年の県民投票では、労組の組織力を持つ連合沖縄が署名活動の実働を担った。だが連合沖縄は今回、組織として県民投票の議論をしていない。

 連合沖縄の大城紀夫会長は個人的な見解として「前回は95年の少女乱暴事件を受けた超党派の中で、政府に突き付ける民意を作ろうという盛り上がりがあった。政府が沖縄の声を聞くかもしれないという一抹の光が当時はまだあった」と指摘する。

 その上で「現在の強権的な安倍政権や司法が、法的拘束力のない県民投票の結果を尊重するだろうか」として、県民の機運や効果の状況が当時と異なるとの見方を示した。

辺野古護岸きょうにもN3着工 土砂投入へ工事本格化 市民団体「知事の承認必要」

2018年4月9日

沖縄防衛局は9日朝にも、名護市辺野古の新基地建設予定地で新たな護岸「N3」(135メートル)建設に着手する。隣接するN5護岸・K4護岸とつながると初めて埋め立て可能な区域ができる。政府は7月にも土砂を投入し、埋め立て工事を本格化させたい考えだ。市民団体からは、当初の計画に変更がみられるとし「知事の承認が必要だ」との指摘もある。

 N3護岸の着工は9日朝に判断される。天候など支障がない場合、台船も海域に入る。N3護岸の工事は2カ月前後で終わり、その後に現在着工中のK4護岸が完成する見通しだ。

 政府が7月に計画する埋め立て工事を巡っては、政府が5工区に分けて業者と交わした契約書と特記仕様書が明らかになり、合計契約額が約283億円に上ることが分かっている。

 沖縄平和市民連絡会の北上田毅氏は工事が当初の計画から変更されていると分析する。「当初は大浦湾側の海域から埋め立てを想定していたにもかかわらず、辺野古海域側から埋め立てを始めようとしている」と言う。

 

 また、当初は本部町・国頭村産の岩ずりは海上から運ぶことを想定しているが、現状では陸上で運搬せざるを得ないとも指摘する。「計画の変更には、県知事から変更の承認を得なければならない」とし「土砂投入の契約は済んでも、埋め立て工事をすぐには始められないはずだ」と訴えた。

 北上田氏は、県が埋め立てを承認した際に付けた「工事の実施設計について事前に県と協議すること」との留意事項に触れ「埋め立て工事についても事前協議が必要だ」とも述べた。

 

辺野古鉄塔の高さ 米軍基準抵触 政府、沖電に移設要請

2018年4月11日

名護市辺野古で政府が進める新基地建設が完成した場合に、飛行場周辺に設定される建造物の高さ制限を巡り、沖縄防衛局が沖縄電力(沖電)に対し、制限の高さを超える送電鉄塔など送電施設の移設を求めていたことが10日までに分かった。沖電の送電鉄塔は本紙が確認したところ少なくとも13カ所ある。防衛局は沖電と既に実施設計などの業務を契約し、移設に向けて作業を進めている。

 辺野古区内やその周辺の同じ範囲では、通信会社のNTTドコモの電波塔2カ所、沖縄セルラーの電波塔1カ所も確認された。防衛局は本紙取材に「制限に抵触する可能性があり現在、米軍や通信会社と対応を調整している」と説明した。

 一方で、新基地建設に伴う高さ制限を超えている沖縄工業高等専門学校(沖縄高専)の校舎について防衛局は、飛行場周辺の安全のため米国が定める基準の存在や校舎が制限を超えていることを学校側には説明せず、制限の対象から外す対応を取っている。

 防衛省の青柳肇報道官は10日、沖縄高専を高さ制限から除外する根拠を問われ「海軍航空システム司令部から適用除外を取得することができる。米側との調整の結果で、やり取りの詳細は差し控える」と述べ、適用除外を決定した時期についても明かさなかった。沖縄高専に説明がない理由については「適用が除外されているので、あえて説明する必要はあるのか」と語った。

 米軍の基準によると滑走路から半径2286メートルの範囲にある建物などは、高さが制限される。辺野古新基地の場合は標高約55・7メートルを超える構造物があってはならない。沖電の鉄塔は約60~100メートルで高さ制限を超過する。

 防衛局は2015年8月、沖電に対し、飛行場の使用開始までに送電施設を移設するよう求めた。

翁長沖縄県知事 膵臓に腫瘍 手術へ 2期目態度明かさず

2018年4月11日

【沖縄市長選速報】桑江朝千夫氏が再選

2018年4月22日

任期満了に伴う沖縄市長選は22日、投開票され、無所属現職の桑江朝千夫氏(62)=自民、公明、維新推薦=が3万2761票を獲得し、2期目の当選を果たした。無所属新人で前市議の諸見里宏美氏(56)=社民、共産、社大、自由、民進、希望推薦=は1万7609票で敗れた。

 桑江氏は、1万人規模の多目的アリーナ建設を推進することなど、経済活性化策を強調。福祉や子育て支援でも施策の拡充を訴えて支持を広げた。
沖縄市長選結果(選管最終)
  桑江朝千夫 3万2761票
  諸見里宏美 1万7609票
  無効       541票

新基地阻止 700人集中行動 6日連続で徹底抗議 シュワブゲート前

2018年4月24日

米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設問題で、「辺野古ゲート前連続6日間500人集中行動」が23日、辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前で始まった。市民有志らによる実行委員会が新基地建設を阻止しようと計画し、呼び掛けに応じた700人(主催者発表)が集まった。2017年4月25日に護岸工事が始まった後、搬入する大型車は次第に増え、最近は延べ数百台の車が1日3回、資材を搬入している。集中行動初日は2回にとどまり、車は121台だった。

 ゲート前で大規模な抗議行動が開かれる際、これまで沖縄防衛局は資材搬入を止めていたが、集中行動初日は資材搬入を強行した。関係者によると、大型連休前に工事日程が遅れると、7月土砂投入に影響が出るため、資材搬入を強行したという。
 市民らは県内各地から出発した送迎バスで、ゲート前に訪れた。午前9時ごろ、資材搬入が始まると、市民らは搬入口のゲート前で座り込みなどして抗議、これを県警機動隊員らが排除しようとして、もみ合いが数時間続いた。
 市民らは「排除は市民運動の弾圧だ」「これ以上の基地負担は沖縄にいらない」と抗議の声を上げた。平和運動センターや島ぐるみ会議の市民らも多数訪れ、抗議に加わった。
 一方、大浦湾でも市民らがカヌーに乗り、海上から抗議を続けた。市民らによると、K3とK4、N3の護岸で、ブロックなどの設置作業が確認されたという。
 500人集中行動は28日まで実施される。

「暴力的排除やめろ」 市民、資材搬入を阻止 辺野古500人座り込み

2018年4月24日

米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設問題で、24日午前、「辺野古ゲート前連続6日間500人集中行動」の2日目が名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前で始まった。
 午前9時半現在で300人を超える市民が県内各地から駆け付け、ゲート前に座り込んだ。
 県警は機動隊の大型車両を新たにゲート前に駐車し、市民の抗議行動を規制した。
 午前9時前には、キャンプ・シュワブ内に建築資材を運び込む車両が国道329号に並んだ。
 搬入を止めようとする市民と強制排除する県警の機動隊員が衝突し、もみ合いとなっている。市民は「暴力的な排除はやめろ」「機動隊は帰れ」などと声をあげて座り込め、資材搬入を止めている。
 ゲート前での混乱により、国道329号の南向け車線は1時間以上にわたり、通行できない状況が続いている。

市民、道路上に拘束 県警、警備体制を強化 車両8台を設置

2018年4月25日 11:15


座り込む市民の強制排除を始める県警の機動隊員=25日午前9時過ぎ、名護市辺野古の米軍キャンプのゲート前

 

「民意踏みにじるな」 辺野古の浜に270人余 新基地中止を訴え

2018年4月25日 14:02

ヘリ基地反対協議会は25日午後1時、名護市辺野古の新基地建設の護岸工事着工から1年を受け、現場近くの辺野古の浜で工事中止を訴える連帯集会を開いた。

 

プラカードを掲げ、名護市辺野古への新基地建設に反対する参加者ら=25日午前11時40分ごろ、名護市辺野古

 270人余(主催者発表)が集結し、「沖縄の民意を踏みにじるな」と気勢を上げた。

 集会前には、市民らはカヌー60艇と8つの漁船に150人が大浦湾海上に繰り出し、海上座り込み行動として抗議した。【琉球新報電子版】

公務執行妨害などで3人逮捕 辺野古ゲート前集中行動

2018年4月26日


新基地建設阻止を訴えシュプレヒコールを上げる市民ら=26日午前、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前

 【辺野古問題取材班】米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設に反対する「辺野古ゲート前連続6日間500人集中行動」4日目が26日、名護市辺野古のキャンプ・シュワブ前で行われている。

 早朝から市民が続々と駆け付け、抗議の声を上げている。

 抗議活動参加者のうち、男性1人が道路交通法違反、別の男性2人が公務執行妨害で逮捕された。

 午前9時ごろから機動隊による座り込みをしている市民の排除が行われた。市民らは「われわれには抗議する権利がある」と訴えた。

 県警は国道329号線の南向け車線をふさぐ形で機動隊車両を最大で4台配置した。砕石など建設資材を積んだトラックが断続的に基地内に搬入していった。

600人抗議「工事やめろ」 集中行動5日目 県警、市民周囲に「壁」

2018年4月28日

米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、「辺野古ゲート前連続6日間500人集中行動」の5日目が27日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ前で行われた。早朝から最大600人(主催者発表)が集結し、ゲート前に座り込んで「違法工事をやめろ」「米軍基地はいらない」などと抗議した。

 この日は午前9時ごろから、午後3時半ごろまでに254台のトラックが資材を搬入。県警機動隊はトラックが近づくたびに市民を排除し、5台の大型車と機動隊員で壁を作ってゲート側の歩道に市民を囲った。市民は「弾圧をやめろ」などと非難した。

 海上にはカヌー12艇、抗議船3隻が展開し、抗議の声を上げた。市民らによると、キャンプ・シュワブ沿岸では護岸に砕石を投入する工事などが進んだ。

 集中行動の実行委は行動最終日の28日、参加者へのアンケートを実施する。実行委は「抗議行動はこれで終わるわけではなく、これからも続く。新基地を止めるために何が有効かを探るためにも皆さんの意見を聞きたい」と話した。


座り込む市民を取り囲む機動隊=4月27日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前