琉球新報1-2月

2017年04月12日 06:09

フロート海面に運ぶ 辺野古新基地建設 カヌー13艇と市民約100人が抗議行動  2017年1月7日

沖縄防衛局は7日午前9時ごろ、米軍キャンプ・シュワブ沿岸の砂浜から浮具(フロート)を海面へと運び出す作業を始めた。工事再開後、フロートを浮かべる作業は6日に続いて2日目。6日に海上に設置したフロートにつなげ、さらに囲う範囲を広げる作業とみられる。・・中略・・ 一方、キャンプ・シュワブのゲート前では7日午前7時ごろから、市民ら約100人が集まって集会を開いた。市民らは海上の様子が見える場所まで南下し「海上作業をやめろ」「新基地は造るな」などとシュプレヒコールを繰り返した。

約60人が抗議の座り込み 辺野古新基地建設 海上では浮き設置や潜水調査  2017年1月10日

名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブのゲート前では10日午前7時すぎから、新基地建設に反対する市民ら約60人が座り込みをしている。午前9時45分現在、資材搬入は確認されていない。・・後略

オスプレイ低空飛行 学校、住宅の付近複数回 名護  2017年1月10日

名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ周辺で9日、米海兵隊の垂直離着陸輸送機オスプレイが複数回にわたって低空飛行するのが確認された。飛行したルートの付近には家や学校もあり、市民からは怒りの声が上がった。後略

番組で沖縄ヘイト 東京MXテレビ基地問題特集  2017年1月12日

東京ローカルのテレビ局が2日、米軍北部訓練場のヘリパッド建設に反対する市民をテロリストに例える内容の番組を放送した。番組の発言者らは、建設に反対する市民らについて「何らかの組織に雇われている」と指摘、背後の組織についてヘイトスピーチ(憎悪表現)やレイシズム(差別主義)に反対する団体「のりこえねっと」(東京都)を挙げ、共同代表で在日3世(韓国籍)の辛淑玉(シンスゴ)氏を名指しで批判した。これに対し辛氏は「沖縄ヘイトは植民地の遺産だ。番組は沖縄に何をしてもいいというお墨付きを与えた。罪深い」と話している。

 辛氏は、放送倫理・番組向上機構(BPO)や法務省、国連に人権救済を申し立てる考えだ。

 問題の番組は「東京メトロポリタンテレビジョン(通称・東京MXテレビ)」(東京都千代田区)が2日に放送した「ニュース女子」。沖縄の米軍基地問題を特集し、軍事ジャーナリストの井上和彦氏が沖縄を訪れた場面を報じた。スタジオでは、東京新聞・中日新聞の長谷川幸浩論説副主幹が司会を務め、経済ジャーナリストの須田慎一郎氏、元経済産業省の岸博幸氏らが意見を交わした。
 番組のテロップでは反対市民について「過激派デモの武闘派集団『シルバー部隊』 逮捕されても生活の影響もない65~75歳を集めた集団」とし「過激デモに従事させている」と解説した。「敵意をむき出しにされた」とし、取材交渉を断念したと説明し、市民らの声は取り上げなかった。
 井上氏は「(反対市民が)救急車も止めたとの話がある」「テロリストみたいだ」「カメラを向けると(市民は)凶暴化する、襲撃されると言われた」と発言した。普天間基地周辺で男性の名前とみられる「光広」や「2万円」と書かれた茶封筒が見つかったとして「反対派の人たちは何らかの組織に雇われているのか」とのナレーションが流れた。日当の根拠についての説明はなかったが、井上氏は「韓国人はいるわ、中国人はいるわ、何でこんなやつらが反対運動やっているんだと地元の人は怒り心頭」「大多数の人は米軍基地に反対とは聞かない」と決め付けた。
 スタジオの発言者は辛氏の反差別運動などの取り組みを挙げ「隙間産業。何でもいいんです盛り上がれば」「親北派だから反対運動している」などと批判した。
 番組に対し、のりこえねっとは「辛淑玉を誹謗(ひぼう)中傷する虚偽報道に対する抗議声明」を発表した。
 辛氏は「一切取材を受けていない。番組は、金でしか動かない人たちから見た沖縄観の典型だ。正義や道徳、思いで動く人たちが理解できないのだろう。沖縄ヘイトの内容を公共放送で流した点は罪深い」と話している。
 東京MXテレビは琉球新報の取材に対し「状況確認および回答の可否も含めて、結論が出ておりません」と回答した。

番組は「沖縄ヘイト」 都内の編集者ら東京MXに抗議  2017年1月13日

東京ローカルテレビ局の東京MXが2日に放送した番組「ニュース女子」で米軍北部訓練場のヘリパッド建設に反対する市民をテロリストに例えるなど攻撃する内容を放送した問題で、東京の編集者ら有志は12日午前、東京都千代田区の東京MX社の前で抗議行動をした。フリーの雑誌編集者川名真理さんがSNS(会員制交流サイト)で呼び掛け、17人が集まり「番組はヘイトスピーチそのもの」「謝罪・訂正して検証番組を放送せよ」などと声を上げた。

辺野古、新たに「海上フェンス」 抗議船の進入阻止へ防衛省  2017年1月15日

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設計画に伴う同県名護市辺野古の新基地建設計画を巡り、防衛省沖縄防衛局が突起物付きの浮具(フロート)を準備していた件で、防衛局は14日、フロートを海上に並べ、金属製とみられる支柱を新たに取り付けた。海面に突き出た支柱にロープを張る作業も確認された。市民らの抗議船やカヌーが進入するのを防ぐ「海上フェンス」として用いる狙いがあるとみられる。市民らがロープを切断するなどした場合、海上保安庁が器物損壊容疑で立件する可能性もある。 後略

<金口木舌>東京で報じられた「沖縄」  2017年1月16日

大多数の県民は新基地建設に反対していない。座り込みの参加者は、仕事としてやっているだけ。県外在住者がほとんど。話もできず攻撃してくる暴力集団だ。番組が言いたいことをまとめるとこうなるだろうか

▼東京のローカルテレビ局が、米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設の抗議行動を取り上げた。「危険」を感じて現場には近づかず、「断念」のテロップを繰り返す演出にもどかしさを感じた
▼「トンネルの向こうは現場」とルポしたのは名護市の「二見杉田トンネル」前。ヘリパッドが建設された東村高江区までに、名護市と東村の10以上の区がある。近づくこともできない危険な状況が広がるとの印象をつくるのは、住民にとっても失礼だ
▼座り込み市民を「シルバー部隊」とやゆした。沖縄戦や戦後の米統治下の状況を知る世代は、戦争につながる基地は許してはならないという思いが強い。多くの県民が知る事実だ
▼だが、放送されたのは沖縄でなく東京だ。現場を知らない人に番組の内容が事実と受け止められる可能性はある。注目したいのは、番組の「抗議市民」観が安倍政権の閣僚のものとも共通するように見えることだ
▼誤った情報に惑わされず、現場に足を運んで県民の思いを共有する。そういう仲間を増やすことが、今の沖縄にとって早急に必要である。

<社説>山城議長長期勾留 「警察国家」への危機感募る  2017年1月16日

名護市辺野古の新基地建設現場と東村高江のヘリパッド建設現場での行為を巡り、逮捕・起訴された山城博治沖縄平和運動センター議長の拘束が約3カ月に及ぶ。 今回の長期勾留に関し、政治的な表現の自由を脅かす異常な人権侵害であり、今後、市民運動が標的になりかねないという懸念が国内外で急速に広がっている。 沖縄の不条理に目を注ぐ海外の有識者、国内の刑法研究者、日本国際法律家協会、76カ国にネットワークを持つ環境NGOが相次いで、山城議長の即時釈放を求める声明を出した。 作家の落合恵子さんや脚本家の小山内美江子さんらが呼び掛けた釈放要求の署名運動は、3週間で国内外から約1万7千筆を集めた。こうしたうねりは、安倍政権下で、民主主義国家、法治主義国家であるはずの日本が急速に「警察国家化」しているという疑念と危機感が深まっている表れだ。
 沖縄の民意に反した基地建設をごり押しされることに異議を唱え、非暴力の抵抗に身を投じた市民を問答無用に抑え込む。さらにリーダーを狙い撃ちにした必要性の乏しい勾留が延々と続いている。 政治弾圧に等しい長期勾留は即刻やめるべきだ。山城議長は一刻も早く釈放されねばならない。 後略

「山城議長ら釈放を」 那覇地裁前集会 2万9000筆署名提出へ 2017年1月17日

 基地の県内移設に反対する県民会議は16日、名護市辺野古の新基地建設に対する抗議行動を巡って逮捕・起訴され、約3カ月間勾留されている沖縄平和運動センターの山城博治議長らの早期釈放を求め、那覇地裁前で緊急抗議行動を行った。400人(主催者発表)が参加し「仲間を返せ」とシュプレヒコールを上げた。山城議長らの早期釈放を求める署名は同日午前までに2万9千筆以上が集まっており、17日に山内徳信元参院議員らが同地裁に提出する予定。 後略

<社説>辺野古海上フェンス 抗議行動への弾圧は明白だ 2017年1月17日

名護市辺野古の新基地建設を進める政府が大浦湾に海上フェンスを設置した。臨時制限区域内の進入を阻止するためのようだ。浮具(フロート)に支柱を付けて海上に直立させ、一部でロープを張り始めた。基地建設強行のためには、なりふり構わぬ姿勢を貫くのか。

 臨時制限区域は2014年6月20日に設定された。従来はあらゆる船舶の立ち入りを常時禁止する第1水域はキャンプ・シュワブ沿岸から50メートルの範囲だった。ところが臨時制限区域の設定で、最大2キロまで拡大した。拡大後の水域面積は約561ヘクタールとなり、米軍普天間飛行場より広い。
 沖縄防衛局は海上フェンスを備えた浮具を設置した理由について「臨時制限区域の境界を明示するとともに、作業の安全確保に万全を期すためのフロートであることに変わりはない」と回答している。
 翁長雄志知事が埋め立て承認を取り消して工事が中断した15年10月以前には、現場海域にフェンスは存在しなかった。浮具と夜間に境界を灯火で示す浮標灯(ブイ)だけだった。
 防衛局が説明する「境界線の明示」だけなら浮具と浮標灯で十分だ。フェンスを設置したのは回答の後段にある「作業の安全確保に万全を期す」のが目的だろう。言葉を変えれば、市民らがロープを切ったり、フェンスを越えて中に入ったりすれば、有無を言わさず器物損壊や刑事特別法違反などで逮捕するという恫喝(どうかつ)ではないか。
 米軍北部訓練場のヘリパッド建設現場では、抗議行動の中心的な存在だった沖縄平和運動センターの山城博治議長が有刺鉄線1本を切った器物損壊などで逮捕、起訴された。身柄拘束は約3カ月に及んでいる。明らかに運動への弾圧であり、人権侵害だ。
 現場海域では新基地建設に反対する市民が抗議船やカヌーを出して抗議行動を展開してきた。政府が今回、海上フェンスを設置したのは、運動への弾圧をさらに強化する準備を進めていると断じるしかない。
 琉球新報と沖縄テレビ放送が昨年5月30日~6月1日に実施した県民世論調査では83・8%が辺野古移設に反対した。選挙で幾度も辺野古反対の候補者が勝利した。なぜ沖縄の声に耳を傾けようとしないのか。政府がなすべきはフェンスの設置ではない。圧倒的な辺野古移設拒否という沖縄の民意を受け止め、工事を中止することだ。 

「政府による沖縄徹底攻撃だ」 鎌田さんら、山城さんの長期拘留批判  2017年1月20日

山城博治沖縄平和運動センター議長が名護市辺野古の新基地建設や米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯建設への抗議行動で逮捕・起訴され、長期拘留を強いられていることを受けて、ルポライターの鎌田慧さんや彫刻家の金城実さんら呼び掛け人と県議員代表が20日午前、那覇地裁に早期釈放を求める世界66カ国から集まった署名1万8402筆を提出した。後略 

沖縄県知事「事実ない」 副知事の口利き・人事介入疑惑  2017年1月21日

沖縄県の2015年の教員採用試験で安慶田光男副知事が特定の受験者を採用するよう口利きしたとの疑惑について、翁長雄志知事は20日の定例記者会見で「副知事に確認したところ、教育委員会への働き掛けの事実はないと聞いている」と述べた。 後略 

飛行再開、怒りの拳 市民ら抗議集会   2017年1月22日

昨年12月に米軍普天間飛行場所属のオスプレイが墜落し、わずか6日で飛行を再開したことに対し、宜野湾市民らでつくる「島ぐるみ会議・ぎのわん」は21日、市役所前で抗議集会を開いた。約140人が参加し「危険なオスプレイを撤去せよ」「県民の命を守ろう」と声をそろえ、拳を突き上げた。後略

辺野古新基地 来月、大型ブロック投下  2017年1月22日

政府は2月上旬にも名護市辺野古の新基地建設に伴う海底ボーリング(掘削)調査を再開する。沖縄防衛局は併せて2月には、海上の埋め立て工事前に設置する汚濁防止膜を固定する大型コンクリートブロックを海中に投下する。辺野古埋め立て承認取り消しを巡る昨年12月の最高裁判決を受けて政府が工事を本格化する中、翁長雄志知事は正念場を迎える。後略

愛国団体「花瑛塾」 辺野古阻止へ行動 沖縄の現状に憤り  2017年1月23日

民族の国際的連帯を目指す愛国団体「花瑛(かえい)塾」の木川智(きかわさとし)塾長(33)と、仲村之菊(みどり)副長(37)は19日までに、琉球新報のインタビューに応じた。両者は「沖縄で起きていることは在日米軍基地の機能強化にほかならない」と話し、名護市辺野古の新基地建設を阻止する活動を活発に展開する決意を示した。後略

現職下地氏が3選 宮古島市長選、経済政策訴え浸透  2017年1月22日

任期満了に伴う宮古島市長選は22日開票され、現職の下地敏彦氏(71)=自民推薦=が9588票を獲得し、いずれも新人で前県議の奥平一夫氏(67)=民進推薦、前市議の真栄城徳彦氏(67)、医師の下地晃氏(63)=社民、社大推薦=を破り、3選を果たした。奥平氏との接戦となったが、375票の僅差で退けた。 現職として2期8年の実績や経済政策の訴えが評価されたほか、争点の一つとなった陸上自衛隊配備計画についても、昨年受け入れを表明した現職の判断に有権者が理解を示す結果となった。後略

「県政混乱は重大」 安慶田副知事が辞職理由説明  2017年1月23日

教員採用試験を巡る安慶田光男副知事の口利き疑惑で、翁長雄志知事は安慶田氏の辞意の意向を受け、23日付で承認した。安慶田氏は同日午後、県庁で会見し「報道されている事実はないが、一連の報道で多くの県民に不安を与え、県政を混乱させたことは重大と考えた。21日に弁護士を通じて知事に辞意を伝えた」と辞職に至った経緯を説明した。後略

実名告発 転換点に 沖縄県副知事の口利き問題 知事に大きな痛手  2017年1月25日

 沖縄県の安慶田光男前副知事による教員採用試験への口利きと教育庁幹部人事への介入で、副知事が23日県庁を去り、県教育庁は翌24日に疑惑を認定した。激震が走る県庁の今後を展望する。・・中略・・非公式や水面下の交渉も含めて経験が豊富な保守系のベテラン政治家で、辺野古新基地建設問題や沖縄関係予算を巡り菅義偉官房長官ら政府側と渡り合ってきた側近の安慶田氏を失うことは、翁長知事にとって大きな痛手となった。後略

名護市議会、オスプレイ訓練再開に抗議  2017年1月25日

昨年12月の名護市安部へのオスプレイ墜落を巡り、名護市議会(屋比久稔議長)は25日、十分な事故原因究明に至らないままオスプレイの飛行訓練や空中給油訓練を再開したとして抗議し、同型機の飛行訓練や空中給油訓練を中止することなど4点を求める意見書と抗議決議を賛成多数で可決した。後略

海上フェンス設置準備進む カヌー隊、海保に拘束 ゲート前で150人抗議  2017年1月25日

沖縄防衛局は25日午前、米軍キャンプ・シュワブ沿岸の砂浜に置いた支柱付きフロートの周辺で作業を行っている。フロートの支柱にロープを取り付け、海上フェンスにする作業を行っているとみられる。・・中略・・ 市民らは最大約150人が座り込みによる抗議行動を行っていたが、午前10時ごろに半数が米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設工事への抗議行動のため東村高江に移動した。

アムネスティが即時釈放要求 山城さん長期勾留 国際運動を開始  2017年1月28日

国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)は26日、名護市辺野古の新基地建設や米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯建設への抗議行動で、威力業務妨害容疑などで逮捕・起訴され、長期勾留が続いている沖縄平和運動センター議長の山城博治さんの即時釈放を求める国際的なキャンペーンを始めた。 後略 

「基地押し付け、デマまで流すのか」 東京MX「ニュース女子」に沖縄で有志が抗議  2017年1月28日

東京メトロポリタンテレビジョン(東京MX)の「ニュース女子」の内容に抗議する「のりこえねっと」の会見は、インターネットでつないだ沖縄会場も設けられ、東京会場と双方向で進行した。沖縄会場となった県庁の県政記者クラブには「ヘイト放送に抗議する沖縄有志一同」の代表として作家の目取真俊さん、弁護士の池宮城紀夫さん、平和市民連絡会の岡本由希子さん、一般市民の安慶名奈々さんの4人が参加した。「絶対に許してはいけない」と強い抗議の意志を示した。 後略

辺野古破砕許可の再申請回避も 政府、埋め立て早期実施へ検討 沖縄知事の権限無力化狙う 2017年1月29日

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に伴う同県名護市辺野古の新基地建設計画を巡り、3月末に期限が切れる埋め立て工事のための沖縄県による岩礁破砕許可について、政府が翁長雄志知事の知事権限を無力化するため、再申請の回避を検討していることが28日までに分かった。政府関係者が明らかにした。後略 

知事訪米前に埋め立て承認撤回を トランプ政権発足で沖縄の識者が緊急シンポ  2017年1月29日

トランプ米政権発足を踏まえ、沖縄が基地問題にどう対処するかについて討議する緊急シンポジウム「沖縄はどうすべきか-安倍政権の対沖縄政策に対抗するために」(主催・沖縄対外問題研究会=代表・我部政明琉球大教授)が28日午後、那覇市の沖縄大学で開かれ、約200人が参加した。翁長雄志知事に対し、辺野古埋め立て承認を撤回し立場を明確にして30日からの訪米に臨むべきだとの声が上がった。後略

トランプ政権へ辺野古阻止要請へ 翁長沖縄知事が訪米向け出発 2017年1月30日

<社説>国保交付金格差 沖縄戦のつけを解消せよ  2017年1月31日

 沖縄戦時に出生数が激減した沖縄は前期高齢者(65歳~74歳)の割合が全国最下位と極端に低い。そのため前期高齢者の割合に応じた交付金が全国より少なく、市町村の国民健康保険財政の赤字が拡大し続けている。

 前期高齢者交付金制度が始まった2008年度から15年度に、県内の市町村が国保財政の赤字を埋めるため一般会計から支出した総額は637億円余にも上る。

 同制度は高齢化に伴い赤字が拡大する国保財政の支援が目的だ。

 制度導入後、前期高齢者の人口比率が高い全国市町村の国保財政は改善し、制度の恩恵を受けた。しかし沖縄戦の影響で同年代の割合が低い沖縄は交付金が少なく、国保財政は悪化をたどり、単年度赤字が100億円近くに上る。

 そのほかの制度支援を含め全国の市町村が18年度までにほぼ赤字を解消するのに対し、沖縄は18~24年度の赤字総額が数百億円にも上る見通しというのだ。後略  

辺野古岩礁破砕 国、知事再許可は「不要」 漁業権放棄を根拠に  2017年2月3日

米軍普天間飛行場の移設計画に伴う名護市辺野古の埋め立てに関して、地元の名護漁業協同組合による一部漁業権の放棄を巡り、水産庁が知事権限の岩礁破砕許可が必要なくなる漁業権の放棄となるとの解釈を示していることが2日、分かった。水産庁は漁業法31条などを根拠に漁業権の放棄は組合員の同意により成立するとの解釈を示した。これを踏まえ政府は、岩礁破砕許可の再申請をしない意向を固めた。これに対し県は、漁業権の変更に県知事の免許の必要性を定めた漁業法22条に基づき、漁業権の一部放棄後も岩礁破砕の知事許可が必要との見解を示し、国と県で見解は真っ向から食い違っている。後略

知事「安保に禍根」 新基地阻止訪米要請 辺野古強行、日米を批判  2017年2月5日

名護市辺野古の新基地建設断念を訴えるために訪米した翁長雄志知事が3日、要請行動の日程を全て終え、ワシントンで記者会見した。翁長知事は、マティス米国防長官と安倍晋三首相が会談で米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設推進を確認したことについて「辺野古が唯一の解決策という考え方に固執すると、日米安保体制に大きな禍根を残す」と強調した。その上で「今後も辺野古新基地建設反対を継続的に訴えていく。私の決意はかえって強くなっている」と述べ、移設阻止への決意を新たにした。後略

MXテレビ沖縄ヘイト番組 東京新聞が謝罪「責任と反省」  2017年2月3日 

東京新聞は2日付朝刊の1面で、米軍北部訓練場のヘリパッド建設に反対する市民をテロリストに例えるなどの内容を放送した東京ローカルテレビ局・東京MXの番組「ニュース女子」で同紙の長谷川幸洋論説副主幹が司会を務めていたことに「他メディアで起きたことであっても責任と反省を深く感じている。とりわけ副主幹が出演していたことについては重く受け止め、対処する」などとする論説主幹・深田実氏の見解を掲載した。深田氏は読者に「おわびします」とした。番組内容について「本紙のこれまでの報道姿勢および社説の主張と異なる」とし「事実に基づかない論評が含まれており到底同意できるものではない」と指摘。「そのこと(番組内容)が偏見を助長して沖縄の人々の心情、立場をより深く傷つけ、また基地問題が歪(ゆが)められて伝えられ皆で真摯(しんし)に議論する機会が失われかねない」との見解も示した。 後略

「手応え、今回が最高」 翁長知事帰沖、訪米成果を強調  2017年2月6日

辺野古新基地建設阻止などを訴えるため訪米していた翁長雄志知事と稲嶺進名護市長、辺野古に新基地を造らせないオール沖縄会議の訪米団が5日夜、帰沖した。翁長知事は記者団に対し「(訪米は)3回目になるが、手応えは今回が最高。今回は相当議論を交わしたので大変大きな成果があった。県民と向かい合い、心を一つに頑張っていきたい」と成果を語った。空港で市民らの出迎えを受けた翁長知事は、訪米中にマティス米国防長官と安倍晋三首相が「辺野古が唯一」と確認したことに「訪米行動にぶつけてやるような中に日本政府の焦りがある。それを見据えて私ももっと決意を固めた」と辺野古新基地建設阻止への決意を述べた。その上で「これから厳しい長いものがある。私もぶれずに前に前に向けて頑張る」と改めて意気込みを示した。後略

海上工事に着手 防衛局、辺野古強行 県、文書で中止要求  2017年2月7日

米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、沖縄防衛局は6日午前8時40分ごろ、海上の本体工事に着手した。5日に名護市大浦湾の臨時制限区域に到着した作業用の船団のうち、台船2隻から汚濁防止膜を固定するための大型コンクリートブロックなどをクレーン船2隻に移し替える作業が行われた。早ければ7日にも同区域内に最大13・9トンの大型ブロックを投下し、汚濁防止膜の設置作業が本格化する。県は防衛局が実際に投下した場合は法的な対抗措置を検討する方針。県民の民意を無視した形で本体工事が強行されることに、県民の反発はさらに強まりそうだ。中略・・新基地建設に反対する市民ら120人が阻止行動を始めたが、県警の機動隊が市民らを排除した。海上での本体工事着工を受け、ゲート前も資材搬入が本格化しそうだ。

菅氏、海上工事着手に「準備整った」辺野古新基地建設  2017年2月6日

菅義偉官房長官は6日午前の記者会見で、米軍普天間飛行場の辺野古移設計画を巡り、政府が海上作業を開始したことについて「昨年夏の工事再開以降、各種準備を進めてきたが、その準備が整った」と述べた。その上で翁長雄志知事による埋め立て承認取り消しが違法だとした最高裁判決に言及し「最高裁判決や昨年3月の和解の趣旨に従い、国と沖縄県双方ともお互いに協力して誠実に埋め立て工事を進めていくことになる」と述べ、工事の正当性を強調した。後略



コンクリートブロックを投下 辺野古新基地建設  2017年2月7日

米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設で、沖縄防衛局は7日午前9時25分ごろ、大型コンクリートブロックを米軍キャンプ・シュワブ沿岸の大浦湾の臨時制限区域内に投下する作業を開始した。大型クレーン船がクレーンを伸ばして1個目のブロックをつり上げた後、湾内に投下した。中略・・ 一方、シュワブゲート前では同日午前、辺野古新基地建設に反対する市民らが集まり、コンクリートブロック投下に抗議の声を上げた。

沖縄タイムス

社説[辺野古から 博治さんへ]「沖縄は絶対諦めない」 2017年2月7日

山城博治さん、あなたが辺野古・高江の反対運動に絡む三つの罪で逮捕・起訴され、名護署の留置場や那覇拘置所に長期勾留されてから、6日で113日が経ちました。病を抱える身でありながら、弁護士以外、家族さえ接見できないというあまりにも異常な状態が続いてます。 私たちはあなたから直接話を聞くことができず、あなたは身柄を拘束され辺野古に行くことができません。ならば、と、こういう手紙形式の社説を思いつきました。 博治さん。政府は6日朝、名護市辺野古の新基地建設に向け、海上での工事に着手しました。最大で約14トンもある大型コンクリート製ブロックをクレーンで台船から作業船に積み替える作業です。 翁長雄志知事や稲嶺進名護市長らが建設計画の撤回を求めて訪米した直後に、県と協議もせずに、一方的に作業に踏み切ったのです。 自民党の二階俊博幹事長でさえ、「沖縄の理解を十分に得られていない状況」だということを認めざるを得ませんでした。 ブロックは汚濁防止膜が強風などで流されないように固定するためのもので、7日以降、228個のブロックが海底に投下されることになっています。想像するだけで胸がえぐられる思いがします。 沖縄の切実な声よりも米軍の都合と軍事上の要求が優先され、辺野古への「高機能基地」の建設が目的化してしまっているのです。あの美しい海は、埋め立てればもう元に戻りません。 新基地建設に反対する市民らは、工事車両が基地に入るのを阻止しようと、キャンプ・シュワブのゲート前に座り込み、精一杯の抵抗を試みました。 博治さんの不在の穴をみんなで埋め合わせているような、決意と危機感の入り交じった空気と言えばいいのでしょうか。 反対側の歩道で折りたたみ式の簡易イスに座って様子を見守っていたのは島袋文子さん(87)でした。「動悸がしてドクターストップがかかっている」というのに、居ても立ってもいられず、現場に駆け付けたのだそうです。 機動隊員が一人一人を3、4人がかりでごぼう抜きし始めたため、現場は悲鳴と怒号が飛び交い、騒然とした雰囲気になりました。「暴力はやめろ」「海を壊すな」「沖縄は絶対諦めない」 驚いたのは文子さんの行動でした。イスから立ち上がって道を渡り、付き添いの女性に両脇を抱えられながら、ひるむことなく機動隊の前に進み出て、抗議の声を上げたのです。「戦争の中から逃げるのはこんなもんじゃないよ」と文子さんは言います。沖縄の戦中・戦後の歴史体験に触れることなしに、新基地建設反対運動を深く理解することはできない。翁長知事が政府との協議の中で何度も強調してきたことですが、正面から受け止めることがありません。 作家の中野重治は、日中戦争前の1928年に発表された「春さきの風」という小説の最後で、こんな言葉を書き付けています。「わたしらは侮辱のなかに生きています」。この言葉は今の沖縄にこそあてはまると言うべきでしょう。

 問題は、強権的な基地建設だけではありません。国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは、博治さんの釈放を求める緊急行動を始めました。国連の「被拘禁者人権原則」は、「家族や弁護士との間のコミュニケーションは、数日間以上拒否されてはならない」とうたっています。かつて悪性リンパ腫の治療を受け、今も体調が万全でないにもかかわらず、3カ月余も勾留が続き、家族も接見できない状態になっているのです。政治的意図に基づく長期勾留であるのは明らかであり、人権侵害の疑いさえある、と言わなければなりません。博治さん。拘置所の狭い空間の中では一人ですが、外の世界では決して一人ではありません。県内や国内だけでなく海外からも、多くの励ましの声が届いていることをお伝えしたいと思います。

沖縄タイムス

【全文掲載】辛淑玉さんの「ニュース女子」への見解 「政権の先兵として憎悪扇動」 2017年1月28日

1月2日に放送されたTOKYO MX「ニュース女子」は、とにかくひどかった。見ていて、こみ上げる怒りを抑えるのがこれほど難しかった経験はかつてなかった。胃液があがってきて、何度も吐いた。その後も、何げない会話の中で突然涙が出てきたり、幾日も眠れぬ夜を過ごし、やっと眠れたと思えば悪夢にうなされた。私が、この番組の放つ悪意に冷静に向き合えるようになるまでには、時間が必要だった。友人や報道陣からの問い合わせに簡単な返信すらできなかったことを、この場を借りておわびしたい。いま、可能な限り、私の思いを言葉にしてつづりたいと思う。

 「ニュース女子」の手口は、基地反対運動について、徹底的にニセの情報を流すというものだ。

 現場にも行かず、当事者にも取材をしない一方で、反基地運動によって迷惑をこうむっているというニセの「被害者」を登場させる。そして、「沖縄の反基地運動はシンスゴという親北派の韓国人が操っている。参加者はカネで雇われたバイトで、その過激な行動で地元の沖縄人は迷惑している」というデマを流して視聴者の意識を操作する。これは、沖縄の人々の思いを無視し、踏みにじる差別であり、許しがたい歪曲(わいきょく)報道である。また、権力になびく一部のウチナンチュを差別扇動の道具に利用して恥じない「植民者の手法」でもある。多くの報道で、「ニュース女子」が取材もせずに番組を作ったことが指摘されていたが、彼らは取材能力がないためにネトウヨ情報を検証もせずに垂れ流してしまったのではない。この番組は、「まつろわぬ者ども」を社会から抹殺するために、悪意をもって作られ、確信犯的に放送されたのだ。だから、間違いを指摘されても制作会社はコメントを拒否し、MXテレビは「議論の一環として」放送したと開き直っただけだった。公共の電波を使った放送を担う企業としての体をなしていない。 為政者にとって、自分になびかない者の存在は、自らの優越性を否定されるため最も憎い存在であり、だから国家体制を批判する者には「非国民」のレッテルを貼り、他の国民が寄ってたかって攻撃するよう仕向ける。その手先としてメディアを使う。そこにあるのは「愚かな国民など、この程度のことを吹聴しておけば簡単にだませる」という国民蔑視だ。国家権力の素顔を見抜き、闘いを挑んでくる「生意気な非国民ども」に対しては、ただつぶすだけでは飽き足らず、嘲笑して力の差を見せつけた上で、屈辱感を味わわせようとする。「ニュース女子」が、年始特番の、しかも冒頭で私を名指しして嘲笑したのは、私が怒って抗議してくると想定した上でのことだろう。感情的になって抗議してくればそれを笑い飛ばす、抗議してこなければ、「抗議してこないのは、報道内容が正しかったからだ」と宣伝材料に利用できる。どっちにころんでもおいしいというわけだ。私も、沖縄の人々も、平和を希求する者は、一方的に攻撃されているのに、それが被害であること、ヘイト・スピーチであることを、被害者の側が実証しなければならないという理不尽な立場に立たされる。私は、毎日仕事をしながら、家族の介護をしながら、シェルターを運営しながら、怒りを抑えて問題を冷静に見つめ、膨大な時間を費やしてBPOに提出する文書を書かねばならない。その必要がなければできたはずの、睡眠時間や、家族・友人との大切な時間、幸せ、楽しみといった人生本来の意味をも、一方的に奪われている。相手を嫌でも闘わざるを得ない立場に追い込み、休息する権利、声を上げる権利を奪うのは、それ自体が人権侵害なのだ。そしてこれは私だけのことではなく、沖縄の人々が置かれている状況も同じだ。

 私はなぜ、在日への差別だけでなく、さまざまな差別に声を上げるのだろうか...。時に、自分でも不思議に感じる時がある。お金も、時間も、体力も、あらゆるものを犠牲にして、どうしてここまでやるのかと。もっと楽な生き方ができたはずなのにと言われたことも、一度や二度ではない。確かなのは、被差別の歴史に共感する胸の痛みがあるということだ。歴史や文化は異なっているが、ウチナンチュも在日朝鮮人も、日本の国家体制によって植民地支配を受け、人間としての権利を保障されず、排除・差別されてきた。ウチナンチュは日本国籍を付与された一方で島ごと奪われ、沖縄戦では「国体」や本土の日本人を守るための捨て石にされた。敗戦後は膨大な米軍基地を押し付けられ、いまも命・生活・人間の尊厳など多くを奪われ、抑圧されている。朝鮮人は、頼んでもいないのに帝国臣民にされ、日本兵の下請け・弾よけとして最も危険できつい労役につかされた揚げ句、敗戦後は日本国籍を一方的に剥奪され、国籍がないことを理由に戦後補償の対象から外され、「外国人」として排除、差別を受けてきた。経緯に違いはあっても、植民地支配の対象とされてきた点では同じ位置に立たされている。そして、私は「殺せ」と言われ、沖縄の友人たちは「ゴキブリ」「ドブネズミ」「売国奴」「土人」と言われ、まとめて「反日・非国民」とくくられている。沖縄で起きていることは、私にとって他人事ではないのだ。彼らの痛みは私の痛みでもある。在日としてこの国に生を受けた以上、見て見ぬふりは許されないと私は思っている。「どんな発言にも表現の自由はある」と「中立公平」を装い、サイレント・マジョリティーの位置を確保して高みの見物(これこそが特権である)をする人々の沈黙によって、「在日」も「オキナワ」も、孤立無援の状態で表現の自由を奪われている。差別と闘う責任は、被差別の側ではなく、差別構造を作り出し温存する側にこそある。この国の主権者は、自らの社会から差別をなくすために払う努力を、主権を奪われたままの在日に押し付けてはならない。同様に、沖縄に押し付けてもいけない。新しい基地をつくらせないという闘いは、ヤマトンチュ自らが政治の中枢部でなすべきであり、そうしなければ根本的な解決には至らない。いまこそ、マジョリティーが矢面に立って闘わなければ構造は変わらない。自分に火の粉が降りかからない限り動かない者が多数派の社会に、未来はないのだ。デマを流し、政権の先兵として憎悪扇動を行うこの番組を、決して許してはならない。あらためて、それだけは言っておきたい。

150人以上が抗議 辺野古新基地建設  2017年2月8日

米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設で沖縄防衛局は8日午前、大型コンクリートブロックを大浦湾の臨時制限区域内に投下する作業を実施した。基地建設に反対するカヌー14艇、抗議船2隻、ゴムボート1隻は「ブロック投下やめろ」「海を壊すな」と抗議の声をあげた。 一方、米軍キャンプ・シュワブゲート前では、新基地建設に反対する市民ら約150人以上が集まり座り込んで抗議した。コンクリートブロックが海に投下されたことについて、ヘリ基地反対協議会の安次富浩共同代表は「この闘いはどんなことがあっても持続していくことが必要だ。抵抗するからこそ変化の兆しがみられる」と語った。

<社説>菅長官会見 論理破綻した「負担軽減」  2017年2月8日

 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で、海上の本体工事が始まった6日、菅義偉官房長官は会見で、辺野古移設が「沖縄の基地負担軽減」になるとの持論を展開した。

 しかし誤った情報、政府側に都合よく解釈した言説が目立ち、看過できない。
 会見で菅氏は「よく地元は反対だと言われているが、辺野古地区の3区長は条件付き容認と明確に言っている」と述べた。だが、辺野古新基地建設現場に最も近い久辺3区のうち、久志区は移設反対を堅持している。
 そもそも行政上の最小単位となる基礎自治体は区ではなく、市町村と特別区だ。地方自治法は基礎自治体のあり方として「地域行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担う」と規定する。
 地域行政に責任を負う名護市の市長は辺野古新基地建設に明確に反対している。しかし菅氏の言う「地元」から名護市は抜け落ちる。
 安倍政権の成果として2014年に普天間飛行場のKC130空中給油機全15機を岩国基地に移駐したと強調する。しかし、KC130は今も沖縄で空中給油訓練を繰り返す。昨年12月に名護市安部で起きた垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの墜落事故につながった空中給油訓練は沖縄で行われ、事故後も岩国基地のKC130が飛来して訓練しており、危険性は消えていない。
 辺野古新基地ができれば「いずれの飛行経路も海上となり」、「住宅防音が、実はゼロになる」と菅氏は言うが、辺野古新基地のV字滑走路の先には住宅やリゾートホテルがある。加えて本島内では住宅地上空を問わず、夜間を問わず米軍機の訓練が行われており、騒音も危険性も存在する。
 「辺野古移設は17年前に県知事、市長が同意して、翁長雄志知事も当時、県内移設を堂々と演説した」とも解説した。しかし、その移設計画は稲嶺恵一知事(当時)の公約を基に1999年に閣議決定された「軍民共用、15年の使用期限」案だった。同案は2006年に小泉政権下で正式に廃止され、滑走路がV字に2本と、軍港を備える機能強化された計画に変貌した。
 菅氏の言う「沖縄の負担軽減」は逆に沖縄の基地機能強化につながっており、論理破綻(はたん)しているのだ。

沖縄県、辺野古の協議を要求 防衛局に文書発送へ  2017年2月10日

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画で沖縄県が求める事前協議を沖縄防衛局が「協議済み」として工事を進めていることについて、県は10日、防衛局に対し、工事を停止し事前協議に応じるよう求める文書を改めて送付する。県は昨年12月にも事前協議を求めて意見書を出していたが、防衛局は協議は終わったとして工事に着手している。後略

山城さん家族 街頭に 長期勾留に支援者らと釈放訴え  2017年2月11日

「山城議長たちを即釈放してください」「長期勾留を強いられています」-。手作りのプラカードを片手に、那覇地方裁判所前で道行く人たちに訴えるのは、沖縄平和運動センターの山城博治議長の家族をはじめ、支援する人たちだ。1月末ごろから思い思いに那覇地裁前に集まり、できるだけ平日は毎日、数時間だけでもプラカードを掲げて「即釈放」を求める活動を行っている。 山城さんは那覇地裁横にある拘置所に勾留されており、10日で117日を迎えた。風吹きすさぶこの日、山城さんの家族の1人は集まった支援者らに「今日もありがとう」と何度も感謝を伝えた。仲間や励ましの声に応えたり、通行人からの声掛けに追われたりし、なかなかプラカードは上がらない。「一人一人の思いを大事にする人なのよ。博治さんにそっくり」。様子を見ていた支援者の女性がぽつりとつぶやいた。 山城さんの家族は今も面会が許されずにいる。家族の1人は「彼はブラックコーヒーが好きなんだけど、それすら差し入れできない。一番彼に届けたいのは、県内外から寄せられている励ましの声です」と話す。
 連日弁護士の元に山城さん宛ての激励の手紙や栄養ドリンクがたくさん届くが、本人への差し入れはかなわず、もどかしい思いを家族は抱いている。数日前は、支援者の女性が日が暮れた後1人でプラカードを持っていると、地域の人が「1人じゃ危ないよ」と、しばらく付き添ってくれた。「支えてくれている人たちがたくさんいる。感謝してもしきれない」。山城さんの家族は目にうっすら涙を浮かべ、また静かにプラカードを高く掲げた。

抗議の合間に「かぎやで風」舞う 辺野古の新基地建設  2017年2月11日

軍港移設、西海岸開発に審判へ 沖縄・浦添市長選  2017年2月12日

浦添市長に松本氏再選 又吉氏に8690票差  2017年2月13日

任期満了に伴う浦添市長選は12日投開票され、前職の松本哲治氏(49)=自民、公明推薦=が3万733票を獲得し、前市議の又吉健太郎氏(42)に8690票差をつけて再選された。争点の一つだった米軍那覇軍港の浦添移設に関し、松本氏は4年前に掲げた移設反対の公約を任期中に撤回し批判にさらされたが、1期4年の市政運営や政治姿勢について有権者から一定の信任を得る結果となった。後略 

オスプレイ訓練、実際は60メートル 政府説明「150メートル」  2017年2月14日

米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの運用で、日本政府が沖縄配備に先立ち安全策として最低安全高度を地上500フィート(約150メートル)以上と説明していたのに対し、実際の海兵隊による運用は200フィート(約60メートル)に設定していることが13日までに分かった。地元への説明は実際の運用より高い高度でオスプレイの安全性を過大に装っていたことになる。高さ約70メートルの沖縄県庁より低い高度だ。実際、昨年12月の名護市安部で墜落したオスプレイも、夜間訓練で飛行高度を60メートルに設定していたとみられ、説明と実際の運用が食い違ったまま配備から4年以上にわたって訓練が続けられていることになる。

新基地海上工事、土砂搬出反対協が抗議  2017年2月13日

米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古への新基地建設の埋め立てに関し、埋め立ての土砂を採取する予定地の市民団体などでつくる「辺野古土砂搬出反対全国連絡協議会」の大津幸夫共同代表=鹿児島県奄美市=ら約13人は13日、嘉手納町の沖縄防衛局を訪れ、特定外来生物の侵入防除対策を策定しないまま土砂採取や搬出予算を執行しないよう求めた。大津代表が「まず、海上工事に着手したことに強く抗議する」とした上で「辺野古新基地の埋め立ては、私たちの住む美しい故郷の山と海の環境破壊、住民生活の破壊が伴う。政府からの説明がいまだにない」と抗議した。 防衛局の遠藤仁彦次長は「埋め立て申請(の採取地)はあくまで計画段階の話だ。現段階で業者と契約はなく、どこから採取するのか決まった計画はない」と明言を避けた。後略

基地抗議活動に警察の弾圧加速 反差別NGO、国連に報告書  2017年2月15日

非政府組織(NGO)の「反差別国際運動(IMADR)」は14日までに、名護市辺野古や東村高江における米軍基地施設建設工事での抗議活動をめぐる警察やメディアの対応について、抑圧激化や偏向報道を指摘する報告書を作成し、国連人権高等弁務官事務所に提出したと発表した。後略

<金口木舌>「反日テロリスト」と呼ばれて  2017年2月16日

名指しで「お前はテロリストだ」と言われた心の痛みはよく分かる。昨年3月、東京支社に赴任する際、入居を申し込んだ物件の大家から「琉球新報」を理由に断られたとコラムに書いた。するとネット上で「反日テロリストにアジトを貸さなかった大家の英断だ」などと中傷された

▼反差別団体のりこえねっと共同代表の辛淑玉(シンスゴ)さんも東京MXの番組「ニュース女子」で「テロリストの黒幕」と名指しされた。放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は審議入りを決めた
▼だが辛さんは疑問を呈す。「手続きの間、デマは拡散し、被害を受け続けている。BPOは被害者を救済するルールや仕組みに欠ける」。BPOの放送人権委員会が東京MXとの協議を促したことにもいら立ちを隠さない
▼「平和」や「反差別」を叫べば、ネットや公共の電波で名指しで攻撃される。それは明らかに理不尽だ。救済や防止の仕組みは、この国の根幹に関わる
▼深刻なヘイト社会とBPOの役割をいま一度、考えたい。沖縄への攻撃は誹謗(ひぼう)中傷にとどまらない。この国が歩んでいる進路を暗示している
▼ナチス幹部のゲーリングはこう言った。「国民を戦争に参加させるのは簡単だ。国民に他国から攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張すればいい」

ブロック3個投下 辺野古新基地建設 ゲートから大型車両10台入る  2017年2月16日

米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設で16日午前、大浦湾の海域で汚濁防止膜の海底基礎となる大型コンクリート製ブロックを投下する作業が進められた。抗議する市民らによると、午前11時までに3個が投下された。

 一方、工事車両の出入り口となる米軍キャンプ・シュワブのゲートには午前9時15分すぎ、工事関係と見られる資材や重機を積んだ大型車両約10台が入った。市民ら約80人は車両の進入を阻止しようと座り込んだが、機動隊によって排除された。