琉球新報11-12月

2017年01月15日 14:01

67台のダンプカーが砂利搬入 北部訓練場ヘリパッド建設現場  2016年11月18日

東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設問題で18日午後1時までに、東村高江のN1地区ゲートから、ダンプカーなど67台が同訓練場内に砂利や機材を搬入した。18日に続き、この日も午前中から大量の砂利が搬入されており、年内での完成に向けて急ピッチで作業を進めているとみられる。 市民ら約30人は、早朝からN1地区ゲート北側の県道70号上に座り込んでダンプカーの通行を阻止しようとしたが、午前10時過ぎから100人超の機動隊に断続的に排除され、行動を規制された。また、機動隊は午前6時ごろから県道70号を通る車両の通行を一部規制し、数時間にわたって大渋滞を引き起こした。

<社説>防衛局人権侵害 抗議活動への偏見広げる  2016年11月19日

沖縄防衛局の人権感覚を疑う。防衛局はヘリパッド建設に抗議する市民の写真を載せ「悪質な違法行為」と断定する説明資料を作成した。しかもその資料が外部の個人のフェイスブックに載り「悪質・違法」と名指す情報が流布されたのである。 二重の人権侵害であり、抗議活動、県民への偏見を助長する意味で機動隊員の「土人発言」と同根だ。防衛局長、防衛相の見解をただしたい。 資料は9ページ以上で、米軍提供区域内で抗議する市民の写真を数多く掲載し「違法侵入者」と記載する。「違法かつ悪質な妨害行為」として沖縄平和運動センター山城博治議長の写真を9枚掲載した。 防衛局は「対外的な説明の際に使用している」と説明している。市民の抗議活動を「違法・悪質」と喧伝(けんでん)しているのである。それがネット上で公然と流布された。抗議行動を「違法・悪質」と見なす偏見を助長するものだ。
 山城議長ら市民の活動を「違法」と断定する根拠は何か。議長は公務執行妨害罪などで起訴されたが、有罪判決が確定したわけではない。多くの市民は訴追すら受けていない。防衛局の権限を逸脱する名誉棄損ではないか。
 肖像権の侵害はもとより、個人のプライバシーが侵害され、憲法が保障する表現の自由、基地建設に反対する活動の自由が蹂躙(じゅうりん)されていることは明白だ。
 防衛局は山城議長ら市民の人権を侵害し、市民の反対運動に対する偏見を助長する文書を廃棄すべきだ。外部に提供した資料を回収し、ネット上からも削除するよう早急な対応を求める。・・中略・・
 資料は抗議の市民を「環境保全措置を妨害」と難じてもいる。ヘリパッド建設で広大な森林を伐採する環境破壊を棚に上げて市民を非難するのは詭弁(きべん)でしかない。オスプレイ配備の隠蔽(いんぺい)に始まる政府のモラルハザード(倫理感の欠如)こそ問題だ。

住宅上空旋回106デシベル オスプレイ 宜野座、夜間に2時間  2016年11月24日

22日夜、米軍キャンプ・ハンセンの近くにある宜野座村城原区の上空を最大3機のオスプレイが約2時間にわたって旋回した。崎濱秀正区長が自身の測定機で城原区の泉忠信さん(86)宅の敷地で計測したところ、最大106デシベルが計測された。10月下旬に泉さん宅のすぐ近くに集落の位置を光の点滅で示し、上空を飛行しないよう知らせる「航空標識灯」が沖縄防衛局によって設置されたが、22日の夜は自宅上空を何度も通った。泉さんは「自宅上空が飛行ルートにならないための標識灯なのに、効果がまるでない。(米軍北部訓練場に)新たなヘリパッドは絶対に造ってほしくない」と訴えた。・・後略

北部訓練場抗議者の違法断定資料 沖縄防衛局が「適切」と回答  2016年11月23日

米軍北部訓練場のヘリパッド移設工事を巡り、沖縄防衛局が外部に配布する資料に抗議運動に参加する個人の氏名や顔写真を掲載し、「違法で悪質な行為」などと説明していた問題で、同局は22日、琉球新報に資料は「適切な内容だ」と回答した。工事への反対運動中にフェンスをペンチで切ったとして、器物損壊容疑で逮捕された沖縄平和運動センターの山城博治議長の顔写真が付き、敬称抜きで資料に掲載したことが、プライバシーの侵害に当たらないかという質問には「報道で明らかになっている」ことを理由に「適切」と答えた。・・後略

知事、建設を事実上容認 沖縄・高江の米軍ヘリパッド「苦渋の最たるもの」 オスプレイ反対は堅持2016年11月29日

沖縄県の翁長雄志知事は28日、12月10日の知事就任2周年を前に報道各社のインタビューに応じた。米軍のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)新設が条件とされる米軍北部訓練場(同県東村・国頭村)の過半の返還計画について「苦渋の選択の最たるものだ。約4千ヘクタールが返ってくることに異議を唱えるのは難しい」と述べ、ヘリパッド建設を事実上容認する考えを示した。・・後略

国、沖縄の「県政分断」図る 知事のヘリパッド容認で、辺野古の県軟化も狙う 2016年11月29日

沖縄県東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場の部分返還計画を巡り、翁長雄志沖縄県知事は28日、「苦渋の選択」と表現しつつ、返還条件とされる同訓練場内のヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)の新設を事実上容認する姿勢を初めて示した。建設の是非に対する姿勢の曖昧さを政府に突かれた格好だ。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設計画に反対する「オール沖縄」勢力の中には翁長知事への不信の声もくすぶる。政府側には、辺野古新基地建設問題での翁長県政の姿勢軟化に弾みを付けたいとの思惑も垣間見える。・・中略 「容認は当然だ。だがこれまではっきりと反対と言っていなかったから良いことだ」。防衛省関係者は声を上ずらせ、これまで政府を批判していた翁長知事の"変節"を歓迎してみせた。政府・自民党関係者からは「次はオール沖縄の分裂だ」との声も上がる。 政府は、知事を支える「オール沖縄」内でのヘリパッド建設の是非を巡る温度差を察知し、そこにくさびを打ってきた。安倍晋三首相は今年9月の所信表明で「20年越しで実現させる」と宣言し、当初予定を前倒しして年内のヘリパッド完成へと計画を変更させた。環境に負荷の大きい工法に変更してまで工期短縮を優先させ、県の反対要請を押し切って工事を強行、翁長県政への圧力を強めていた。後略


辺野古テントなど5カ所家宅捜索 威力業務妨害容疑で県警   2016年11月29日

県警は29日午前、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設に反対する市民らが活動拠点にしているテントなど5カ所で一斉に威力妨害容疑の捜査で家宅捜索した。家宅捜索が確認されたのは①米軍キャンプ・シュワブゲート前のテント②海上行動をする市民らの通称「テント2」③ヘリ基地反対協の事務所④沖縄平和運動センターの山城博治議長の自宅⑤反対運動をする市民の自宅―の5カ所。山城議長を含む反対運動の市民ら計4人が同日午前、威力妨害容疑で逮捕されたとみられる。
 山城議長らがまとめ役となる抗議行動の市民らは1月、辺野古移設作業の工事車両がシュワブの工事用ゲート内へ入るのを阻止する手段として1千個を超えるコンクリート製ブロックをゲート前で積み上げた。この行動が威力業務妨害に相当する疑いで県警が捜査しているとみられる。・・後略


高江で男性2人逮捕 車両阻止行動中に    2016年11月29


県警、平和センター捜索 辺野古抗議拠点も 威力業務妨害容疑 4人逮捕 2016年11月30日

県警警備1課と名護署は29日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前で1月、コンクリート製ブロックをゲート前に積み上げて普天間飛行場移設工事に抗議し、工事車両の進入と沖縄防衛局の業務を妨害したとして、威力業務妨害の疑いで沖縄平和運動センターの山城博治議長(64)を含む計4人を逮捕した。県警は逮捕に合わせ、複数箇所で家宅捜索を実施。本紙は6カ所での捜索を確認したが、捜査関係者によると、8カ所を捜索したという。県は25日、シュワブ内の陸上工事を承諾しており、工事が本格化するのを前に、反対する市民らによる抗議行動をけん制する目的があるとみられる。

 逮捕されたのは山城議長、職業不詳男性(66)=宜野座村、職業不詳男性(59)=名護市、職業不詳男性(40)=名護市=の4人。県警は捜査に支障を来すとして、それぞれの認否を明らかにしていない。
 逮捕容疑は1月28日午後2時5分ごろから同30日午前8時41分ごろにかけて、移設工事を阻止するため、米軍キャンプ・シュワブゲート前の路上にコンクリート製ブロック1400個余りを幅約5メートル、高さ約2メートルに積み上げてゲートをふさぎ、複数人で車両の前に立ちふさがるなどして工事関係車両の搬入と沖縄防衛局の業務を妨害した疑い。・・中略・・
 逮捕された市民と名護署で接見した三宅俊司弁護士は「皆、黙秘している」と説明した。その上で、威力業務妨害の根拠とされるブロックを積む行為について「市民は警察の目の前でブロックを積み、その翌日に警察がそのブロックを撤去する、という行為が繰り返された」とし、抗議が警察の監視下で行われたことを説明。「威力業務妨害なら、警察はブロックを積む前に市民を止めるべきだ」と警察の対応と逮捕の理由の矛盾を指摘した。「1年近くたって逮捕した。異常な状態としか言いようがない」と非難した。

翁長知事、ヘリパッド移設容認を否定 報道に「不本意だ」   2016年11月30日

翁長雄志知事が28日の記者会見で、ヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)新設が条件とされる米軍北部訓練場の部分返還について「苦渋の選択の最たるものだ」と述べたことに関し、翁長知事は29日夕、記者団の取材に「ヘリパッド建設は容認していない」と強調した。翁長知事は「オスプレイの配備に関して環境影響評価もなされていないのに、ヘリパッドの工事を進めることは認めていない」と説明した。
 翁長知事は1996年のSACO(日米特別行動委員会)最終報告で、北部訓練場の部分返還とヘリパッド移設を合意した際には、米海兵隊の輸送機MV22オスプレイの運用計画が伏せられていたことに触れて「SACO合意とは違うものになっている」と述べた。
 翁長知事は、自身の「苦渋の選択」発言がヘリパッド建設も容認したと報道されたことは「不本意だ」と述べた。一方で「皆さん(報道機関)にそう捉えられたのなら仕方ない。マスコミの解釈でそうなったが、こちら側から釈明するわけにはいかなかった」と釈明した。
 翁長知事は28日の会見で、北部訓練場の部分返還が地元の望む形になっていないことについて問われ「約4千ヘクタールが返ってくることに異議を唱えるのは難しい」と述べていた。
 さらに「オスプレイの全面撤回があればヘリパッドも十二分に運用しにくいのではないか。SACO合意の着実な実施と地元2村との信頼などを考える中で、オスプレイ配備撤回で物事は収れんされるのではないか」と語り、オスプレイ撤去でヘリパッドを無効化させる考えを強調していた。 後略


政府圧力に屈しない 辺野古・高江 市民、運動拡大へ  2016年12月1日

県警が米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に伴う新基地建設の抗議行動をしていた4人を威力業務妨害容疑で逮捕してから一夜明けた30日、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブゲート前や東村高江の米軍北部訓練場N1ゲート前では建設に反対する市民らが連日と同様集まった。市民らは「抗議行動は絶対に萎縮しない」などと声を上げ、抗議行動のさらなる拡大を誓った。 キャンプ・シュワブのゲート前では、市民らが30日午前9時ごろから新基地反対を示すプラカードを掲げて抗議行動を展開した。29日午前のテントでの家宅捜索現場に居合わせた伊波佳(よし)さん(74)=金武町=は「とても悔しく恐ろしさも感じた。『なぜ今ごろ』という思いだった」と振り返り、「立ち向かわないといけない」と語気を強めた。
 沖縄平和市民連絡会の城間勝事務局長は「県民を分断し、(運動の)広がりを防ごうという弾圧だ。決してめげない」と批判。その上で抗議の意思を示す大規模な集会などを開催する必要性を強調した。
 米軍北部訓練場へのヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)に抗議する市民らが集会を開いたN1ゲート前には30日、午前7時ごろから約250人が集結した。・・後略
 

<社説>平和センター捜索 不当な弾圧許されぬ 基地建設に警察が加担  2016年12月1日

警察の捜査は基地反対運動に対する弾圧である。沖縄平和運動センターなどの強制捜査と山城博治同センター議長の再々逮捕、長期の拘束は行き過ぎだ。警察法がうたう「公平中正」の理念に反すると指摘せざるを得ない。

 県警は基地反対、平和運動の拠点である同センターからパソコンなどを押収した。運動に関わる人々の情報が公権力に渡り、基地反対運動を委縮させる。捜索、押収の必要性に疑問がある。山城議長の長期拘束も同様だ。基地建設の国策に警察が加担する-そのような疑いを県民に抱かせた。県警への県民の信頼が大きく揺らいだ。
捜査の必要性に疑問
 警察の捜査には疑問点が多い。1月の事案に対する強制捜査と議長らの逮捕が、なぜ1年近くもたったこの時期なのか。辺野古新基地建設の反対運動を抑制する印象操作を疑う声は多い。建設を容認する県議会野党の自民党県議は「高江から辺野古に主戦場が移る。(辺野古の)工事が再開すれば反対運動も再燃する。警察活動は必要」とタイミングを見計らった捜査と見ている。・・中略・・
  山城議長の40日以上に及ぶ拘束も問題だ。器物損壊など軽微な容疑に対する長期拘束は捜査の必要性、人権の問題と同時に、基地反対運動への影響が大きい。・・中略
基地反対は正当な権利
 中略・・政府は辺野古新基地建設、沖縄への基地集中政策を「普天間の危険除去」や「沖縄の地理的優位性」など安全保障上の理由で正当化している。しかし「国益」の名の下に沖縄に基地過重負担を押し付け続けているのが実態である。県民は加害者ではなく被害者だ。
 被害を受ける県民が基地過重負担の軽減、新基地・施設に反対を訴えるのは正当な権利だ。民主主義、地方自治に基づく正当な権利主張、基地反対の行動を政府と警察が一体となって弾圧することは許されない。
 米軍基地撤去は県民にとって長く苦しい闘いだ。しかし正義は沖縄側にある。政府や警察の不当な対応に屈することなく、粘り強く闘い続けるしかない。

知事「着陸帯容認せず」 「反対」明言なし  2016年12月3日

 知事就任2年を前にしたインタビューで北部訓練場内のヘリパッド建設について「苦渋の選択」と述べたことについて、翁長雄志知事は2日、記者団に対して「ヘリパッドは容認できない」と改めて示した。一方、ヘリパッド建設に明確には反対しなかった。後略

「これ以上見過ごせない」 大阪で沖縄基地の引き取りシンポ  2016年12月4日

沖縄に集中している米軍基地を日本本土に引き取る運動を広げるためのシンポジウム(引き取る行動・大阪主催)が3日、大阪市立住まい情報センターのホールで開かれ、約100人が参加した。講演した早稲田大の中原道子名誉教授は「基地を引き取れば私らも苦しいが、沖縄の人たちは70年以上も苦しんできた。これ以上、構造的差別を見過ごせない。本土への基地引き取りに賛成し、運動に参加する。基地引き取りの行動は人間として生きることだ」と強調し、参加の意思を表明した。 後略

沖縄の負担軽減へ行動 地方議員有志会合、「県外移設」には触れず  2016年12月4日

 全国16市町議会の議長が世話人となり、沖縄の基地負担軽減を目指す「沖縄の基地負担軽減を考える議員有志の会」の沖縄協議会初会合が3日、那覇市久米の県青年会館で開かれ、「負担を分かち合っていくことが重要だ」との決議を採択した。登壇者は米軍普天間飛行場の危険性除去策として機能や訓練の分散などを挙げ、県外移設には触れなかった。・・後略

米本土では住民抗議で工事中止 陸軍管理地の送油管建設、沖縄と"二重基準" 「水源、環境に配慮」

2016年12月6日

米国防総省傘下の陸軍省は4日、米中西部ノースダコタ州などで民間企業が進めている「ダコタ・アクセス・パイプライン」の建設を巡り、陸軍省が同州などで管理する区域での工事を許可しないと発表した。石油漏出による水源汚染や環境破壊を懸念してネイティブ・アメリカン(先住民)が建設中止を求めていた。オバマ政権は国内の先住民らの主張に配慮する一方、同じく自然環境への悪影響が指摘される沖縄の辺野古新基地建設や北部訓練場の新ヘリパッド建設では、県民の反対にかかわらず工事推進の立場を堅持している。・・後略

米軍、北部訓練場で麻薬密輸対応訓練 東村議に説明 安保条約逸脱か  2016年12月5日

米軍北部訓練場の使用目的について訓練場を担当する米兵が「米本国への麻薬密輸に対処するための訓練をしている。戦争のためだけではない」と、東村村議らの視察団に説明していたことが4日、分かった。北部訓練場では米海兵隊や米空軍などの使用だけでなく他国軍や自衛隊による「視察」も確認されており、新たな機能が付与されている側面が浮かび上がった。地元からは機能強化に懸念の声も上がっている。日本の防衛を目的に米側への施設提供を定めた日米安保条約からの逸脱ともいえ、専門家は「聞いたことがない。安保条約では目的は限定されている」と話している。 ・・中略・・ 参加者によると、米軍の担当者は「米国には大量の麻薬が入ってくる。中南米のジャングル地帯から入ってくることが多い。大量の麻薬から本国を守るために、拠点を奇襲攻撃したり、即応したりするためだ」と訓練目的を説明した。「戦争のためのジャングル訓練ではなく、麻薬輸出国とみなした訓練が必要」とも述べたという。規模や部隊名、実施頻度などは明らかになっていない。
 米側から説明を受けた伊佐真次村議は「整理縮小どころか、より強化された基地ということになる」と米側の新たな訓練内容に懸念を示した。
 11月25日の衆院安保委員会で、赤嶺政賢衆院議員が米軍の説明に関し「麻薬の対策と日本の防衛との間にいったいどんな関係があるのか」と質問し、政府に訓練内容を把握しているか追及した。これに対し防衛省の深山延暁地方協力局長は「米軍が北部訓練場で行っている訓練のいちいちの目的は承知していない」と述べるにとどめた。 ・・後略

つり下げ訓練自粛を 當眞宜野座村長が要請  2016年12月8日

連日つり下げ訓練 オスプレイ、宜野座民間地で 米軍、抗議を無視  2016年12月8日

宜野座村城原区の民間地上空で7日夜、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが物資のつり下げ訓練を約3時間にわたって実施した。6日も訓練したことから、中嶋浩一郎沖縄防衛局長が同日夜、在沖米海兵隊訓練作戦部(G3)のテイラー大佐を直接訪問し抗議したばかり。7日午後には安慶田光男副知事が県庁に中嶋局長を呼び出し、抗議した。 一方、中嶋局長とテイラー大佐が面談した際、つり下げ飛行の経路について米側が「提供施設内だ」と反論していたことも分かった。6日は沖縄防衛局職員らも飛行地点が提供施設外と確認しており、米側と認識が食い違っている。

「不当弾圧許さない」 緊急県民集会 500人超がデモ行進  2016年12月9日

 名護市辺野古の新基地建設と東村高江のヘリパッド建設に対する抗議活動で、沖縄平和運動センターの山城博治議長らが逮捕されていることに抗議する「安倍政権による不当な市民弾圧を許さない緊急県民集会」(基地の県内移設に反対する県民会議主催)が那覇市の県民広場で開かれた。主催者発表で500人超が参加。集会後「不当で見せしめの逮捕だ」「弾圧に絶対負けない」などと訴え、国際通りをデモ行進した。 沖縄平和運動センター副議長の仲村未央県議は「民意の下で行動してきた決意が弾圧で揺らぐことはない。国策を進めるためなら何でもするという安倍政権の宣戦布告だ」と強調した。

沖縄相の更迭要求 世界人権デー東京集会 差別発言への対応問題視  2016年12月11日

 国連の世界人権デーの10日、東京都渋谷区の青山学院大学で開かれた「12・10国際立憲主義の実現を!」集会で、米軍北部訓練場(沖縄県)のヘリパッド建設に反対する市民への大阪府警機動隊員による差別的発言を巡り、「政府公認の差別を許さない!閣議決定の撤回と鶴保庸介沖縄担当相の更迭を求める集会決議」が採択された。 機動隊員による「土人」「シナ人」との発言については、鶴保庸介沖縄担当相が「差別と断定できない」と述べ、政府も11月18日に同様の見解だとする答弁書を閣議決定していた。
 決議では「この言葉がヘリパッド建設に反対する市民を侮蔑(ぶべつ)する意図で使われたことは明らか」と指摘した。「人類館事件」のほか、沖縄戦当時、沖縄語(うちなーぐち)を話す県民がスパイとして扱われたことにも触れ、「差別発言は許されるものではない」と批判した。
 同時に「公人による差別はヘイトスピーチやヘイトクライムを助長する」と指摘。「高江や辺野古で行われている強制的な基地建設や警察による不当逮捕も今回の閣議決定と無縁ではない」と問題視した。・・後略

新基地反対、沖縄と共に 全国11カ所で集会、8千人超参加  2016年12月11日

米軍北部訓練場(沖縄県東村・国頭村)のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設に反対し、辺野古新基地建設を巡る違法確認訴訟で最高裁に公正な審理を求める「12・10東京集会」が10日午後、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で開かれた。沖縄からの参加者を含む約3900人(主催者発表)が参加。「沖縄と共に闘うぞ」「最高裁は沖縄の民意に応える判決を」などと沖縄との連携を誓いながら、「辺野古・高江新基地ノー」と書かれたプラカードを掲げ新基地建設を強行する政府に対して怒りの拳を突き上げた。10日は東京のほか大阪や沖縄など全国11カ所で集会があり、主催者発表で少なくとも全国で計8100人以上が参加した。

 11日にも全国各地で集会が開催される予定。両日で全国計33都道府県37カ所で同様の集会などを開き、ヘリパッド建設や辺野古新基地建設計画阻止を訴える。 集会は基地の県内移設に反対する県民会議、「止めよう!辺野古埋立て」国会包囲実行委員会、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会が主催した。集会では「沖縄への差別を許さず、最高裁に対して民意に応える判断をもとめよう」などとするアピール文を採択した。
 同県民会議の仲本興真事務局次長はヘリパッド建設が進む東村高江周辺や辺野古で警察による「不当な逮捕」が行われていることなどを報告し、最高裁に対して「歴史に堪える見識を示してほしい」と訴えた。
 国会包囲実行委員会からは名護市出身の青木初子さん(69)が登壇し、宜野座村の民間地近くで繰り返されたオスプレイによるつり下げ訓練を厳しく批判し「県民の命は軽いのか」と憤り「まじゅんちばらなやーさい(共に頑張りましょう)」と共闘を呼び掛けた。
 集会では評論家の佐高信氏、成蹊大学の武田真一郎教授もマイクを握り新基地建設を強行する安倍政権を批判、違法確認訴訟の高裁判決を疑問視した。民進党、共産党、社民党の議員や参院会派沖縄の風の糸数慶子参院議員も野党共闘で新基地建設に異議を唱えた。
 集会後は会場から銀座に向けてデモ行進し、市民に沖縄の現状を訴えた。

辺野古訴訟、沖縄県の敗訴が事実上確定 判決20日に決定  2016年12月十二日

 翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを巡り、国が県を相手に提起した不作為の違法確認訴訟で、最高裁は12日、判決期日を20日に決定した。弁論を開かずに判決期日を指定したことにより、県の敗訴が事実上確定した。辺野古新基地建設阻止を掲げる翁長県政にとって厳しい結果となり、今後の議論に大きな影響を与える。
 翁長知事は「確定判決には従う」と述べており、最高裁判決後にも埋め立て承認取り消しを"取り消す"見通しとなった。国が新基地建設工事を再開する法的根拠が復活する。一方、翁長知事は敗訴した場合でも「あらゆる手法」で辺野古新基地建設を阻止する姿勢は変わらないとしており、移設問題の行方は不透明な情勢が続く。
 不作為の違法確認訴訟の一審・福岡高裁那覇支部は9月16日、翁長知事による承認取り消しは違法だとして、同取り消しの違法性の確認を求めていた国の主張を全面的に認める判決を出した。県は判決を不服として、同23日に上告していた。

「移設阻止」貫く 翁長知事、権限行使を強調  2016年12月13日

沖縄県の翁長雄志知事は12日夜、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設計画を巡る訴訟で最高裁の通知を受けて県庁で記者会見し「辺野古基地は造らせないことを公約に掲げてきた。これからもその信念をしっかり持ちつつ思いを遂げていきたい」と語った。政府側が埋め立て工事を強行してくることが予想されることには「承認の取り消しの取り消しで原点に戻っている。原点をしっかり踏まえて岩礁破砕許可など一つ一つ検証していくことになる」と話し、各種知事権限を行使していく姿勢を改めて強調した。

 敗訴判決の後、名護市辺野古の埋め立て承認の取り消しをいつ取り消すのかについては「弁護士と相談してしかるべき時期に判断する」と述べたが、明言はしなかった。
 最高裁の通知については「弁論が開かれないことは極めて残念だ」と語った。
 20日に出る判決の評価については「厳しいとは分かるが、判決を待ってから話をすべきだろう」と述べた。判決内容については「今日まで判決に従うと申し上げており、今まで通りだ」と繰り返した。
 辺野古代執行訴訟の和解条項9項で県と国は確定判決の「趣旨に従い協力し、誠実に対応する」と規定されていることに触れ「岩礁破砕許可申請などが法規上の要件を充足していない場合でも許可しなればならないことを定めたものではない」と述べ、新たな申請など今後の判断は判決には縛られない考えを強調した。

国、年明け工事再開か 辺野古訴訟で沖縄県敗訴へ 最高裁、弁論開かず20日判決言い渡し

2016年12月13日

米軍普天間飛行場の移設計画で、沖縄県の翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを巡り、国が県を相手に提起した不作為の違法確認訴訟で最高裁第2小法廷は12日、口頭弁論を開かずに判決を今月20日に言い渡すことなどを県に伝えた。高裁判決の変更に必要とされる弁論を開かずに最高裁が上告審の判決期日を指定したことにより、福岡高裁那覇支部が言い渡した県の敗訴が事実上確定した。辺野古の新基地建設阻止を掲げる翁長県政にとって厳しい結果となり、今後の議論に大きな影響を与えるのは確実。国は判決を受けて、年明けにも埋め立て工事を再開する構えだ。 

 最高裁は12日、憲法違反を問う上告については棄却し、判例や法令違反を問う上告受理申し立ての一部についてのみ、20日に判決を言い渡すと伝えた。
 不作為の違法確認訴訟について翁長知事は「確定判決には従う」と明言しており、最高裁判決後にも埋め立て承認取り消しを「取り消す」見通しで、国が工事を再開する法的根拠が"復活"する。
 一方、翁長知事は敗訴した場合でも「あらゆる手法」で新基地建設を阻止する姿勢は変わらないとしている。県は仲井真弘多前知事による埋め立て承認後に発生した公益違反の事由に基づく「撤回」なども検討しており、米軍普天間飛行場の移設問題の行方は不透明な情勢が続く。 
 不作為の違法確認訴訟の一審・高裁那覇支部は9月16日、翁長知事による承認取り消しは違法だとして、同取り消しの違法性の確認を求めていた国の主張を全面的に認める判決を出した。県は判決を不服として、同23日に上告していた。
 普天間飛行場の辺野古移設を巡っては、仲井真前知事が2013年12月27日に沖縄防衛局による埋め立て申請を承認。辺野古新基地建設阻止を公約に当選した翁長知事が15年10月13日に承認を取り消した。代執行訴訟での和解を経て、国は16年7月22日に不作為の違法確認訴訟を高裁那覇支部に提起した。

北部訓練場返還式、知事は欠席 「沖縄県民が理不尽な思い」 オスプレイのつり下げ訓練指摘

2016年12月12日

沖縄県の翁長雄志知事は12日夜、県庁で会見し、22日の米軍北部訓練場の返還式と祝賀会について「県としては出席については見合わせることにした」と発表した。

 欠席の理由について、訓練場内のヘリパッド建設の拙速な進め方に加え、宜野座村城原区で県などの抗議にもかかわらずオスプレイつり下げ訓練が継続されていることなどを列挙。「東村高江周辺でもこのようなことが起こり得ることが容易に予想され、県としては到底容認できない。北部訓練場の返還には私のみならず、多くの県民が理不尽な思いを抱いている」と指摘した。
 会見では併せて、辺野古違法確認訴訟で上告した最高裁が弁論を開かず判決期日を伝えてきたことについて「弁論が開かれないことは極めて残念だが、判決言い渡しを待って報告する機会を持ちたい」と述べるにとどめた。

国、年明け工事再開か 辺野古訴訟で沖縄県敗訴へ 最高裁、弁論開かず20日判決言い渡し

2016年12月13日

米軍普天間飛行場の移設計画で、沖縄県の翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを巡り、国が県を相手に提起した不作為の違法確認訴訟で最高裁第2小法廷は12日、口頭弁論を開かずに判決を今月20日に言い渡すことなどを県に伝えた。高裁判決の変更に必要とされる弁論を開かずに最高裁が上告審の判決期日を指定したことにより、福岡高裁那覇支部が言い渡した県の敗訴が事実上確定した。辺野古の新基地建設阻止を掲げる翁長県政にとって厳しい結果となり、今後の議論に大きな影響を与えるのは確実。国は判決を受けて、年明けにも埋め立て工事を再開する構えだ。 

 最高裁は12日、憲法違反を問う上告については棄却し、判例や法令違反を問う上告受理申し立ての一部についてのみ、20日に判決を言い渡すと伝えた。
 不作為の違法確認訴訟について翁長知事は「確定判決には従う」と明言しており、最高裁判決後にも埋め立て承認取り消しを「取り消す」見通しで、国が工事を再開する法的根拠が"復活"する。
 一方、翁長知事は敗訴した場合でも「あらゆる手法」で新基地建設を阻止する姿勢は変わらないとしている。県は仲井真弘多前知事による埋め立て承認後に発生した公益違反の事由に基づく「撤回」なども検討しており、米軍普天間飛行場の移設問題の行方は不透明な情勢が続く。 
 不作為の違法確認訴訟の一審・高裁那覇支部は9月16日、翁長知事による承認取り消しは違法だとして、同取り消しの違法性の確認を求めていた国の主張を全面的に認める判決を出した。県は判決を不服として、同23日に上告していた。
 普天間飛行場の辺野古移設を巡っては、仲井真前知事が2013年12月27日に沖縄防衛局による埋め立て申請を承認。辺野古新基地建設阻止を公約に当選した翁長知事が15年10月13日に承認を取り消した。代執行訴訟での和解を経て、国は16年7月22日に不作為の違法確認訴訟を高裁那覇支部に提起した。

<社説>「辺野古」県敗訴へ 自治否定は禍根残す 民主主義守る闘いは続く  2016年12月13日


 翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを巡り、国が起こした違法確認訴訟で県が敗訴する見通しとなった。最高裁第2小法廷は一審判決を見直すために必要な弁論を開かず、20日に上告審判決を言い渡す。

 立法、行政、司法の三権が均衡を保ち、行き過ぎた権力行使に歯止めをかける-。三権分立の中で司法に課された役割をかなぐり捨て、民主主義と沖縄の自治を否定する判決がこのまま確定していいのか。重大な疑念を禁じ得ない。
「主従」に落とし込む
 米軍普天間飛行場に代わる名護市辺野古への新基地建設は、地方自治体と首長の権限を巡り、県と国が全面対立する構図を生んだ。
 1999年の地方自治法改正により、国と地方自治体が独自の権限を持ち、対等な関係になった。地方が譲れない重大問題で国に対抗する論理を構築して渡り合い、国も司法もそれを無視できない時代が到来しているのだ。辺野古新基地問題はその象徴であろう。
 ところが、福岡高裁那覇支部が下した一審判決は地方分権に逆行し、国と県をかつての「主従」の関係に落とし込んだ。当然ながら、多くの行政法学者が最高裁での見直しは不可避と主張してきた。国土交通相の是正指示に従わない知事判断を違法とした判決は司法の公平性に背を向け、国の主張の引き写しと見なすしかない。
 普天間飛行場の移設先を「辺野古が唯一」とする安倍政権の主張を追認し、高裁判決は辺野古埋め立てをやめれば「普天間飛行場の被害を継続するしかない」というどう喝さえ繰り出した。
 埋め立てによって米軍基地ができる可能性がある40都道府県の全知事が拒んだ場合を想定し、判決文はこうも記した。「国防・外交に本来的権限と責任を負うべき立場にある国の不合理とは言えない判断が覆されてしまい、地方公共団体の判断が優越しかねない」
 安全保障などで国と地方が対立した場合、自治体の意向など全く考慮することなく、国がやりたい放題できる論理構成だ。全自治体に刃(やいば)が向く危うさがある。
 幾多の選挙で示された辺野古ノーの民意を無視し、強権行使一本やりの安倍政権と同調した乱暴な論理がちりばめられている。
 基地の重圧にあえいできた沖縄の戦後史に思いをはせることもなく、独断と決め付けによる事実誤認が多い判決が無批判に最高裁で確定することは許されない。
権限駆使しはね返せ
 上告審判決を待って、安倍政権は停止していた辺野古での工事再開に突き進むとみられる。翁長知事や県民世論に圧力を強め、諦念を植え付けようと躍起になるのは目に見えている。沖縄は一層厳しい局面に立たされる。
 だが、沖縄戦の住民犠牲と米軍統治下と日本復帰後も続く米兵らによる事件・事故を踏まえ、人権保護と環境保全とは相いれない新基地建設に毅然と反対を貫く民意の正当性はいささかも揺るがない。徹底抗戦は続く。
 最高裁判決が出ても、翁長知事は「新基地建設をあらゆる手法で阻止する」と明言している。新基地の設計・工法の変更申請に伴う知事の承認権限の行使がある。翁長知事が申請を認めなければ、申請のたびに工事は止まる。
 沖縄防衛局は大浦湾のサンゴを移す特別採捕許可を得る必要があるが、生態系に潰滅的打撃を与えると主張する県が許可しない可能性が濃厚だ。名護市の権限も多くあり、国が意のままに新基地建設を進められない要素は多い。
 最高裁判決まで1週間ある。戦後71年、県内移設条件付きの普天間返還合意から20年余を経ても、辺野古の海の埋め立てを阻んできた民意の力を再確認し、これからも続く試練に立ち向かう県民の気概を研ぎ澄ましたい。
民主主義と地方自治を踏みにじるなら、司法の正義は失墜する。歴史に禍根を残す国追随の司法判断が確定しようとしている。

やっぱり落ちた オスプレイ墜落 住民恐怖、欠陥機懸念現実に  2016年12月14日

13日夜、名護市安部沿岸の岩礁の上で米軍の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落しているのが確認された。目撃した付近住民の宮城元作さん(46)によるとオスプレイとみられる赤い光が低い位置で飛行している中、急に飛行音が聞こえなくなり、下へ落ちたという。14日午前0時半ごろ、本紙記者が名護市安部の沿岸で破損した機体を確認した。

 オスプレイが落ちる光を目撃した宮城さんは取材に対し時間帯は不明だとし「見た時には(既に)低かった。だんだん落ちて、急に音が聞こえなくなった。(こうした状況は)初めてで驚いた」と話した。
 付近住民によると、13日午後9時半ごろから14日午前0時すぎまで、米軍ヘリとみられる3機が旋回しているのが確認された。オスプレイが墜落した周辺の海域を捜索していたとみられる。
 13日夜にいざり漁でタコを取っていた男性によると、カメラのフラッシュらしき光が見えた。陸上部で機体の破片のような物を確認した住民もいるという。
 本紙記者によると、機体の周辺には懐中電灯を光らせている米兵ら4人の姿が見えた。機体の10メートル以内に米兵1人、100メートル離れた所にほかの米兵3人が歩き回っていた。周辺では、パラシュートとみられる物も確認された。

埋め立て要件を審理 辺野古訴訟 高裁判決解釈修正も  2016年12月14日

 翁長雄志知事による名護市辺野古の埋め立て承認取り消しを巡り、国が県を相手に提起した不作為の違法確認訴訟で、最高裁第2小法廷(鬼丸かおる裁判長)は20日の判決で、埋め立て事業の必要性や国の地方自治体への関与の在り方について審理して判断することが分かった。13日県に届いた通知書で、法令違反などを問う上告受理申し立てで一部受理された内容で判明した。審理の対象となる事項については最高裁が福岡高裁那覇支部の解釈を見直す可能性がある。一方で県は敗訴確定を受け、「承認取り消し」の取り消しを年明けに行う方向で調整している。

 最高裁は、辺野古埋め立てが事業の必要性・合理性や、環境保全への十分な配慮を求めた公有水面埋立法の要件を満たしているのかについて審理する。承認取り消しの「取り消し」を求めた国の是正の指示が適法だったのかなど、地方自治体への国の関与についても判断対象とした。高裁那覇支部判決が仲井真弘多前知事の埋め立て承認を審理の対象としたことなどの上告受理申し立ては棄却した。

別機が普天間基地に胴体着陸 オスプレイ墜落の当日  2016年12月15日

「不時着」報道に違和感 識者、メディアの姿勢批判 2016年12月15日

 今回のオスプレイ墜落事故の表現を巡り、日本側メディアは一斉に政府発表に基づき「不時着」と報道したが、ツイッターなどで「機体が木っ端みじんになっても『不時着』なのか」との疑問が相次いでいる。

 メディアの報道姿勢などに詳しい砂川浩慶立教大教授(メディア論)は「機体がばらばらになっている事故を『不時着』とするのは非常に違和感がある。メディアが取材した事実を自らの言葉で表現せず、権力に気を遣って政府の『大本営発表』をそのまま報じるのは戦前のような全体主義、ファシズム国家になってしまう危険性をはらんでいる」と指摘した。 後略

オスプレイ事故は「最重大級」 米機関が評価、沖縄名護海岸の墜落  2016年12月16日

「人けない所に落ちた」 墜落現場で防衛副大臣 沖縄・名護海岸のオスプレイ事故、視察7分、「不幸中の幸い」とも   2016年12月16日

 13日夜に米軍輸送機オスプレイが墜落した沖縄県名護市安部の海岸に15日、若宮健嗣防衛副大臣が訪れ、黒川清彦内閣官房沖縄危機管理官から上空写真などを見ながら説明を受けた。現場から約1キロ離れた浜から双眼鏡で墜落現場を眺めるなどし「(パイロットの)判断で人けがない場所に落ちたんですね」とやりとりする場面があった。

 近くに集落もあり危険性が高い墜落事故にもかかわらず、操縦士をほめるかのような米軍寄りの発言が目立った。